東北・北海道地区高校通信制教育研　顔の分かる関係構築を　総会・大会　１００人が研鑚

（関係団体 2023-11-09付）

東北北海道高校通信制研究会

　東北・北海道地区高校通信制教育研究会（菊田英孝会長）は１０月２６日から２日間、札幌市内のカナモトホールで５年度総会・研究協議会北海道大会を開催した。関係者１００人が参加し、分科会や記念講演で研鑚を積んだ。菊田会長はあいさつで、新しい通信制教育の在り方を研究する必要性を強調し「北海道大会を契機に、課題解決に向けて互いに顔の分かる関係を構築してほしい」と呼びかけた。

　高校通信制教育において、東北や北海道の実施校相互の理解を深め、現在や将来における様々な課題に対する研究協議を進めるもの。道内外の関係者約１００人が出席した。

　総会では、菊田会長があいさつ。新型コロナウイルス感染症のまん延によって「自学自習を基本とする通信制高校の学習の在り方を再認識する機会となった」との認識を示し、スマートフォンやタブレットなどＩＣＴツールを生かした「新しい通信制教育の在り方を研究する時期が来ている」と述べた。

　中教審の中間まとめで示された、ウェルビーイングの実現に向けて「優良事例を創出・発信や、心理的・福祉的支援、キャリア支援に資する調査研究の展開などが求められている」とした上で、４年ぶりの対面開催となった北海道大会を契機に「互いの課題を共有し、解決に向けて横のつながりを強固にし、顔の分かる関係づくりに役立ててほしい」と期待した。

　開催地を代表して、星槎国際高校の前田豊校長があいさつ。多様化した生徒への対応に適した通信制高校のニーズの高まりに言及し「加盟校間の相互理解や課題を研究協議する研究会の果たす役割は大きい」と述べ、有意義な大会となることを期待した。

　道教委の倉本博史教育長、全国高校通信制教育研究会の小宮山英明事務局長の来賓あいさつに続き、１２月に山形県で教頭・副校長研究協議会を開催することなどを盛り込んだ５年度事業計画案を全会一致で承認した。

　このあと、教育課程・学習指導、進路指導、生徒指導、放送教育の４分科会で協議。個別最適化で目指す自律的学習者の育成や、進路指導・キャリア教育の取組と課題などについて発表、意見交換した。

　２日目は、星槎大学の西永堅副学長が「発達障害と合理的配慮」と題して記念講演。無気力が不安に起因することを示し「不安にならない課題を出すことが重要だ」と述べるとともに、個別最適な学びを保障するフィードバックの重要性を説いた。

(関係団体 2023-11-09付)