函館市P連 第57回研究大会 社会全体で子育てを 道教大函館校の中村氏講演(関係団体 2023-11-20付)
【函館発】函館市PTA連合会(駒野圭史会長)は11日、函館大学で第57回研究大会を開催した。大会主題「学びと行動で未来を拓くPTA~子ども達の豊かな成長を願って」のもと、市内各校のPTAや管理職約140人が参加。講演やグループ討議を通して、地域とのつながりを意識し、子どもを温かく育む環境の構築を目指した。
同会は「学びと行動で未来を拓くPTA」をスローガンに設定。子どもたちの健やかな成長に向け、保護者自身が学べる情報提供を通して、PTA活動の充実と発展を目指している。本年度は新型コロナウイルス感染症の5類移行を踏まえ、4年ぶりに集合開催とした。
大会では、道教育大学函館校国際地域学科講師で児童福祉等を研究する中村直樹氏が講演。「子どものために学校・地域ができること~現状理解と今後の展望」と題し、社会が子育てに関わっていく必要性を市内の子どもの実態を踏まえて解説した。
中村氏は子育てを負担と感じる要因について、私的・協働的な営みの均衡が崩れたことが背景にあると説明。
新生児・乳児の死亡率、子どもの殺人被害の推移が年々減少傾向にあることを示し、現代は子どもたちを手厚く守り育てられる環境にあることを示した。
子育てを取り巻く現代の環境については「子どもの不行儀を注意する大人が見られなくなった」「読み方が分からない子どもの名前が珍しくなく、個人のアイデンティティーとして私的な名付けをする親が増えた」「里親登録数の減少から子育てに対する願望や意識が希薄化している」などの特徴を列挙。「自由で丁寧な子育てが可能になった反面、私的な営みが色濃くなっている」と分析し、経済的困窮や「子育ては親の私的な営み」とみなす社会の価値観が、子育ての困難化につながるとの見解を示した。
平成30年度に市が実施した子どもの生活実態調査の結果から、世帯の経済状況から見える実態を説明し、家庭の経済状況が子どもの進学等に影響することを説明。「社会保障をはじめとする社会全体の自己責任論の強調が子育てをする親を追い詰めている」と述べ、現実を直視した政策や制度の充実、社会的な関心の高まりを展望した。
講演後、参加者は4グループに分かれ「子どもたちの未来のために必要なサポート」「PTAが学校や地域と連携してできること」の2点を柱に討議。自校の実態やこれまでの取組を振り返るとともに、子どもたちを取り巻く課題解決に向けて、活発に意見を交わした。
(関係団体 2023-11-20付)
その他の記事( 関係団体)
十勝地区小・中放送教育研究広尾大会 令和の学校教育実現へ ICTや多様なメディア活用
(2023-11-20) 全て読む
道高校教頭・副校長会が研究協議会 集団の相乗効果高め 自他の関係など交流分析
(2023-11-20) 全て読む
道高校水産クラブ連盟研究大会 小樽水産高水産食品科 全国の切符獲得 ニシンでパスタソース開発
(2023-11-20) 全て読む
檜山教頭会が第55回研究厚沢部大会 ふるさと教育の充実へ 全体会や分科会で提言発表等
(2023-11-20) 全て読む
プログラミングコンテスト木古内大会 創造的なアイデア披露 函館大森浜小・三浦さん全国へ
(2023-11-20) 全て読む
道都市教育長会が秋季定期総会 英知集め課題解決へ 学校冷房整備など要望案審議
(2023-11-17) 全て読む
主体的・協働的に学ぶ子 北音教 第65回函館・道南大会 函館東山小 歌詞に即し表現
(2023-11-17) 全て読む
帯広市教頭会 5年度研究大会 全力で学校運営推進を 十勝局・瀬越課長が講演等
(2023-11-16) 全て読む
道公教 第1ブロック研小樽大会 職能向上へ情報交流 3教頭会が活動報告など
(2023-11-16) 全て読む
とかち教育講演会に230人 熱意は見えない学力 東大・池谷教授「子を育てる脳科学」
(2023-11-15) 全て読む