文教委員会(9月5日)道議会質疑(道議会 2023-12-20付)
Q 質問QuestionA 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand
【質問者】
▼戸田安彦委員(自民党・道民会議)
▼広田まゆみ委員(民主・道民連合)
▼水口典一委員(北海道結志会)
▼森成之委員(公明党)
【答弁者】
▼北村英則教育部長
▼山本純史学校教育監
▼山城宏一指導担当局長
▼金田敦史施設課長
▼今村隆之健康・体育課長
▼佐藤敏尚総務部学事課長
◆熱中症対策
Q戸田委員 道内の公立学校の空調設備の整備状況と整備が進んでいない要因について伺う。
A金田施設課長 道内の公立学校における空調設備の整備状況について。4年度の国の調査によると、学校における各教室、体育館等の室別の整備率は、普通教室については、全国の小・中学校が95・7%、全道が16・5%、全国の高校が94・1%、全道が0・7%、全国の特別支援学校が95・7%、全道が6・5%となっている。
また、音楽室や理科室などの特別教室については、全国の小・中学校が61・4%、全道が7・5%、全国の高校が53・0%、全道が7・3%、全国の特別支援学校が87・7%、全道が13・2%となっている。
体育館等については、全国の小・中学校が11・9%、全道が2・3%、全国の高校が8・1%、全道が0・4%、全国の特別支援学校が28・9%、全道が2・2%となっている。
整備が進んでいない主な要因としては、本道は他県等との比較において、これまで夏季の平均気温が低いことなどから、限られた予算の中で他の施設整備を優先してきたことによるものと考えている。
Q戸田委員 ことしのような猛暑は来年以降も続く可能性があり、公立学校施設での空調設備の整備が必要と考える。道教委は今後、どのように空調設備の整備を進めていくのか伺う。
A金田施設課長 空調設備に関する今後の対応について。学校は児童生徒が一日の大半を過ごす学習の場であることから、熱中症の防止はもとより、安全・安心で快適な教育環境の整備は重要であると考えている。
道教委では前年度、手稲養護学校において、モデル校として普通教室全室に空調設備を整備し、その効果や実績等について検証を進めているところ。
空調設備の整備については、建築費の高騰や人手不足、学校運営に支障のない工事期間の十分な確保などの課題もあるが、この夏の気温データや学校の実情のほか、モデル校の検証結果等も踏まえ、今後も児童生徒の健康や安全・安心が確保されるよう、国の支援策を活用しながら、可能な限り設置できるよう検討を進めていく。
また、市町村立学校の空調設備整備に係る財政支援の拡充についても、道公立学校文教施設整備期成会などとも連携し、引き続き国に対し強く要望していく。
Q戸田委員 6月6日の文教委員会では、過去3年間、道内の公立学校で児童生徒が病院に搬送後、熱中症と診断された件数は、2年度10件、3年度8件、4年度4件とあった。本年度の発生状況と、そのことをどう認識しているのか伺う。
A今村健康・体育課長 熱中症の発生状況について。本年度、札幌市を除く道内の公立学校において、児童生徒が熱中症またはその疑いで医療機関に搬送された件数は、8月31日現在、小学校3件、中学校11件、高校21件、特別支援学校1件の計36件である。
本年度は、過去3年間と比較し、熱中症の発生件数が急激に増加している。その主な要因としては、平年に比べて真夏日や猛暑日が増加していることや、各学校において熱中症に対する意識が高まり、体調を崩した児童生徒への対応を迅速かつ適切に行っていることなどが考えられるところ。
Q戸田委員 6月の文教委員会では、5月の十勝管内の中学校での熱中症による緊急搬送事案を受けた今後の対応について、危機管理マニュアルの作成、周知やチェックリストによる再点検を促すなどの指導を行う旨の答弁があった。6月以降のこれまでの対応と今後の取組について伺う。
A山城指導担当局長 熱中症への対応について。道教委では、ことし6月以降、熱中症の予防方法や熱中症の危険が高まる条件などを記載したリーフレットを作成し、児童生徒や保護者に配布したほか、各学校や市町村教委に対し、道内で発生した事案を示し、注意を喚起するなど、熱中症対策の徹底を求める通知を複数回発出してきた。
また、気温が30度を超える場合は、全ての道立学校および市町村教委に対し、熱中症に注意するよう電子メールによる周知を行ってきており、特に、熱中症警戒アラートが発出された場合には、その都度、注意喚起を行ってきた。
今後は、各種会議や教員研修等において、熱中症対策の説明機会を設定するとともに、学校が運用している危機管理マニュアルの作成状況を調査、把握するなど各学校における熱中症対策がより一層徹底されるよう取り組んでいく。
Q戸田委員 8月には、道内全域に熱中症警戒アラートが発表されるなど、本道においても猛暑が続く状況に変化している。連日30度を超える中で学習している子どもたちやその保護者から、早期に学校にエアコンを設置してほしいという切実な声を聞いている。札幌市や苫小牧市では、当面の間、工事不要の移動式エアコンを増やす予定と聞いている。
空調設備の設置を進めるとしても、設置までの間も学校の熱中症対策は急務であり、道教委として、今後どのように取り組んでいくのか伺う。
A山本学校教育監 今後の対応について。8月中旬以降、保護者や道民から学校における暑さ対策に関し、エアコンの設置や授業時間の短縮など様々な意見をいただいており、道教委として対策を講じる必要があると考えている。
今後は、児童生徒の健康や安全・安心が確保されるよう、熱中症対策の各種取組に加えて、まずは直ちに講ずることが可能なものとして、暑さ指数等に応じた臨時休業や下校時刻繰り上げの考え方の整理などの対策について、早急に道教委幹部による庁内会議を開催するなどして、組織横断的に検討していく。
◆食育推進
Q広田委員 道として、健康教育、食育推進の中核的な役割を果たす存在として、養護教諭、栄養教諭の指導力の向上を掲げている。
栄養教諭については、道教委が地域の状況を踏まえつつ配置をすることとされているが、現行の配置基準は食育を推進していく上で十分と認識されているのか、その見解を伺うとともに、より一層の配置促進に向けてどのように取り組む考えか伺う。
A今村健康・体育課長 配置状況などについて。栄養教諭は、単独調理場方式や共同調理場方式などの給食の実施形態や児童生徒数に応じ、国の配置基準を踏まえて配置しており、基準を超えて配置することは難しいものと考えている。
道教委では、学校教育活動全体を通じた食に関する指導の充実が図られるよう、栄養教諭を中心に全教職員が連携・協力した食育推進体制の整備を進めるため、国に対し、栄養教諭の配置拡大を要望しており、引き続き市町村教委とも連携しながら、栄養教諭の定数改善等について、国に要望していく。
Q広田委員 道教委として本道の食育の推進に対して、具体的にどのような役割を果たしていくのか伺う。
また、道教育推進計画の中で、栄養教諭による食に関する指導の月当たりの平均取組回数を12回にするという目標設定に関して、現場の栄養教諭が参画するような形で決められたのか、また、現場の栄養教諭のモチベーションが上がるものであるのか確認するとともに、栄養教諭をどのように支援していくのか伺う。
A山城指導担当局長 食育の推進について。平成17年成立の食育基本法では、子どもたちが豊かな人間性を育み、生きる力を身に付けていくためには、何よりも食が重要であるとされ、積極的に食育を推進するよう求めている。このため道教委では、学校教育活動全体を通じた食に関する指導の充実が図られるよう、栄養教諭を中心とした食育推進体制の整備を進めていくこととしている。
また、ことし3月策定の道教育推進計画では、栄養教諭による食に関する指導の月当たりの平均取組回数を9年度までに12回とする推進目標を定めているが、このことは国の第4次食育推進基本計画において、栄養教諭による地場産物に係る食に関する指導の平均取組回数を月12回以上とする目標を踏まえて設定したものであり、各栄養教諭において意欲的に取り組んでいくことが必要と考えている。
道教委としては、各学校において栄養教諭が意欲を持って食に関する指導に取り組むことができるよう、初任者研修や中堅栄養教諭研修等において衛生管理の徹底と食に関する指導の充実に向けた指導助言に努めるとともに、道内外の優れた実践事例を収集し、その普及を図ることとしており、こうした取組を通じて栄養教諭への支援に取り組んでいく。
Q広田委員 食品選定委員会や献立作成委員会は、栄養教諭というよりもむしろ学校として、あるいは、教育委員会として設置するということになっていると思うが、これが栄養教諭も含めて学校現場の負担になるとすると、会議に追われて現場で本来の指導に当たれないこともあるのではないかと推察するところ。むしろ、こうした会議等のコーディネートは、例えば外部人材の活用が必要だと思う。
食育に関しては北海道の食育コーディネーターなど外部人材の活用を関係部と連携して進めることが必要だと考える。道教委の見解を伺う。
A今村健康・体育課長 外部人材の活用について。各学校において、学校保健委員会や献立作成委員会等の校内委員会を運営するに当たっては、養護教諭や栄養教諭などの特定の職員に業務を担わせるのではなく、適切な役割分担のもとで実施することが大切であり、引き続き各種会議や研修会等の場を活用し、各市町村教委や学校等に周知していく。
また、現在、道農政部において、食育に関する専門的な知見を有する方々を道食育コーディネーターとして登録し、市町村や団体等の要請に応じて有償で派遣する制度があることから、今後、市町村や学校から照会があった場合等には、必要に応じて当該制度の周知を行っていく。
Q広田委員 道としても学校、家庭、地域が一体となった子どもたちの健康づくりの充実をしていくために、学校医や保健師等の専門家や、保護者や子どもたちの代表などによる学校保健委員会の活性化を掲げている。コミュニティ・スクール(CS)の関係性などについて伺うとともに、現在の設置状況について伺う。
例えば道教委の学校給食衛生管理マニュアルによると、生きた教材としての学校給食のために献立作成委員会を設けること、食品選定のための委員会を設置することなども求められているが、その設置状況について伺う。
A今村健康・体育課長 学校保健委員会の設置状況等について。学校保健委員会は、学校の健康に関する課題を協議するため、校長、養護教諭、栄養教諭等の教職員、学校医や学校歯科医、学校薬剤師、保護者や地域の保健関係機関の代表者などを構成員として校内に置かれる組織であり、札幌市を除く道内全ての公立学校で設置されている。
一方、地域住民が学校運営に参画するCSは、保護者の代表や地域住民等で構成する学校運営協議会が、校長の作成した学校運営に関する基本方針について協議を行うものであり、4年5月1日現在、札幌市を除く道内の公立学校のうち、1138校、73・2%が導入している。
なお、CS導入校における学校保健に関する部会等の設置状況は、把握をしていない。
また、道教委の学校給食衛生管理マニュアルでは、学校の設置者は、学校給食を実施する学校または共同調理場に献立作成委員会や食品選定委員会を設けるよう指導しており、4年度は札幌市を除き、献立作成委員会を設置している学校または調理場が99・8%、食品選定委員会を設置している学校または調理場が99・5%となっている。
Q広田委員 学校給食における地場産品の活用を進めていくためにも、栄養教諭の役割や地域との連携が非常に重要である。学校関係者だけではなく、地域と一体となった地場産品活用のためのより強い取組を学校給食という教材を使って子どもたちにも共有していくことが、食と観光の北海道として未来を担う人材づくりにもつながると考える。
学校給食を一つのきっかけとして、関係部と連携してできる方法を探すことが道の役割ではないかと考える。今後どのように関係部と連携を図り、学校給食における地場産品の活用率を上げていくべきと考えるのか伺う。
A今村健康・体育課長 地場産物の活用について。学校給食に地場産物を取り入れ、食に関する指導の生きた教材として活用することは、子どもたちに地域の自然や文化、産業等に関する理解を深め、郷土を愛する心や食への感謝の念を育むなど、食育を推進する上で意義あるものと考えている。
道教委としては、道食育推進計画を所管する農政部とも連携し、引き続き各市町村教委や学校に対し、地場産物の積極的な活用を働きかけるとともに、地域の食材を活用した特色ある献立や調理の事例をはじめ、生産者等と連携・協力しながら活用促進に取り組む実践事例等を広く周知するなどして、学校給食における地場産物の活用の推進に努めていく。
◆熱中症対策
Q水口委員 道教委として、今般の異例の暑さが続く状況での公立学校の環境について、どのように受け止めているのか伺う。
A今村健康・体育課長 暑さに対する認識について。本年度は、真夏日や猛暑日の増加に伴い、熱中症によって救急搬送される児童生徒等が増加し、ことし8月中旬以降、保護者や道民から、学校における暑さ対策として、猛暑日の臨時休校やエアコンの設置など様々な意見をいただいている。
学校保健安全法では、学校の設置者は、学校環境衛生基準に照らして、適切な環境の維持に努めなければならないとされており、道教委としては、児童生徒の健康や安全は何よりも大切であるとの考えのもと、熱中症対策の徹底は、喫緊の重要課題であると認識している。
Q水口委員 道立および市町村立の小・中学校、高校、特別支援学校の冷房機器設置率、併せて、私立の小・中学校、高校の空調機器設置率について伺う。
A金田施設課長 冷房機器の整備率について。4年度の国の調査によると、普通教室については、小・中学校は道立がゼロ%、市町村立が16・5%、高校は道立が0・1%、市町村立が5・7%、特別支援学校は道立が4・5%、市町村立が46・3%、音楽室などの特別教室については、小・中学校は道立が5・9%、市町村立が7・5%、高校は道立が7・3%、市町村立が6・7%、特別支援学校は道立が10・4%、市町村立が52・9%、体育館等については、小・中学校は道立がゼロ%、市町村立が2・3%、高校は道立がゼロ%、市町村立が3・6%、特別支援学校は道立がゼロ%、市町村立が40%となっている。
A佐藤学事課長 道内の私立小・中学校等における空調機器の設置率について。国が行った私立学校の教室等のエアコン整備状況の調査結果によると、ことし4月1日現在では、普通教室については、小学校が84%、中学校が50%、高校が年内に設置する予定のものも含めて40・3%となっているほか、特別教室では、小学校が79・2%、中学校が37・5%、高校が年内に設置する予定のものも含めて31・1%となっている。
また、屋内運動場については、小学校が33・3%、高校が24・1%となっており、中学校については設置されていない。
Q水口委員 次年度以降も異常気象が続くとなれば、命の危険にさらされる環境から児童生徒を守らなければならない。道教委として、市町村立学校の冷房機器の設置に対し、独自の助成をする考えはないのか伺う。また、道立学校の冷房機器の設置についても考え方を伺う。
A北村教育部長 冷房機器の整備について。学校は児童生徒が一日の大半を過ごす学習の場であることから、熱中症の防止はもとより、安全・安心で快適な教育環境の整備は重要であると考えている。
市町村教委の空調設備整備に対して、道教委独自の財政支援は行っていないが、全179市町村で構成する道公立学校文教施設整備期成会とも連携し、引き続き国に対し支援策の拡充を強く要望していく。
また、道立学校の空調設備の整備については、建築費の高騰や人手不足、学校運営に支障のない工事期間の十分な確保などの課題もあるが、児童生徒の健康や安全・安心が確保されるよう、国の支援策を活用するなどしながら、可能な限り設置できるよう検討を進めていく。
Q水口委員 本州の学校のように夏休みを1ヵ月以上長く設定することも、児童生徒の教育環境を考える上で、方策の一つとして検討する必要があると考える。夏休みの延長について、道教委としてどのような考えなのか見解を伺う。
A山城指導担当局長 夏季休業について。道立学校の場合、道立学校管理規則において、夏季休業と冬季休業を合わせて50日の範囲内でそれぞれの休業日の日数を変更できることなどが定められており、夏季休業の日数を現行より増加させた場合、冬季休業の日数が減少することとなる。なお、小・中学校等では、学校設置者である各市町村が学校管理規則において期間を定めている。
各学校においては、長期休業を含む年間計画を前年度中に作成することから、次年度の気候に応じて長期休業期間の増減を判断することは難しいものと考えているが、今後の気候の状況等について、経年変化を確認した上で、適切な教育環境となるよう休業期間の在り方等を検討する必要があると認識している。
◆熱中症対策
Q森委員 熱中症の防止に向けて、道教委はこれまで、学校等に対し、どのように指導してきたのか伺う。
A今村健康・体育課長 熱中症防止に向けた指導について。道教委ではこれまで、各道立学校や市町村教委に対し、暑さ指数等によって危険度を把握し、中止も含めて体育活動や部活動の実施の可否等を適切に判断するよう通知をしてきたところ。
また、気温が30度を超える場合は、熱中症に注意するよう電子メールによる周知を行い、特に熱中症警戒アラートが発出された際には、その都度注意喚起を行ってきたほか、校長会議等の場を活用し、各学校における熱中症対策を徹底するよう、継続的に指導してきたところ。
Q森委員 8月下旬に特に暑い日が続いたことを踏まえ、各学校において熱中症対策が適切に行われるよう、一層の指導の徹底を図ることが重要と考えるが、どのように指導していくのか伺う。
A山城指導担当局長 今後の指導について。道教委では、各学校における熱中症対策の徹底について、継続して指導してきたが、この間の極めて厳しい暑さを踏まえ、あらためて、熱中症対策として下校時間の繰上げや臨時休業等を行うことが可能であり、学校や地域の実情に応じて対応すること、暑さ指数等によって危険度を把握し、中止も含めて体育活動や部活動の実施の可否等を適切に判断することについて通知したところ。
今後は、各学校において、熱中症対策がより一層徹底されるよう、各種会議や教員研修等において、熱中症対策の説明機会を設定するとともに、学校が運用している危機管理マニュアルの作成状況を調査、把握するなどの取組を進めていく。
Q森委員 熱中症警戒アラートが初めて本道全域に発表されるなど、本道の気象状況が変化してきており、安全・安心な教育環境の確保に早急に取り組む必要があると考える。道教委として今後、どのように対応するのか伺う。
A北村教育部長 今後の対応について。空調設備の整備については、建築費の高騰や人手不足、学校運営に支障のない工事期間の十分な確保などの課題もあるが、児童生徒の健康や安全・安心が確保されるよう、国の支援策を活用しながら、可能な限り設置できるよう検討を進めるとともに、道公立学校文教施設整備期成会とも連携し、引き続き空調設備整備の財政支援の拡充について、国に対し強く要望していく。
また、学校は児童生徒が一日の大半を過ごす学習の場であることから、熱中症の防止はもとより、安全・安心で快適な教育環境の整備は重要であると考えており、長期的、短期的な視点に立って、ソフト、ハードの両面から気象状況の変化に応じた必要な対応を検討していく。
Q広田委員 今回、道は新たに地場産品に加えて、クリーン、有機も推進する旨、教育推進計画に書き加えた。この食品の選定に関しても、クリーン、有機を推進する旨をこのマニュアルに書き加えるべきではないかと考えるが、所見を伺う。
A今村健康・体育課長 食品の選定について。学校給食衛生管理マニュアルは、適切な衛生管理を図るための基準である国の学校給食衛生管理基準を踏まえて策定しており、学校給食の食品の選定に当たって、衛生的に問題のあるものが使用されることのないよう作成しているものである。
一方で、学校給食に地場産の有機農産物等を取り入れることは、子どもたちの食や健康等に関する理解を深める上で意義あるものと考えており、道教委では、農政部やJA北海道中央会と連携し、栄養教諭を対象とする研修会において、クリーン農業や有機農業に関する内容を取り入れてきたところ。
今後もこうした取組を継続し、各学校において有機農産物等の積極的な活用も含め、学校給食で使用する食材が適切に選定されるよう指導していく。
Q広田委員 現在、学校給食の無償化などの議論も進んでいるところ。無償化の動きと併せて、例えば生産現場に無理をさせるのではなく、クリーン、有機を含む地場産品を購入する加工事業者や作っている農家を支援することを検討すべきと考えるが、現時点での見解を伺う。
A山城指導担当局長 地場産物の購入について。3年度に道教委が行った学校給食における地場産物の使用状況調査において、地場産物の使用に関し、価格が高い、量の確保が難しい、使用時期が限定されることなどが回答として寄せられており、購入価格や安定的な食材の確保に課題がある。
このため道教委としては、これまでも国に対し、地場産物の購入への支援に係る財政措置について要望してきたところ。今後も引き続き市町村教委に地場産物の使用を働きかけるとともに、地場産物の購入に係る財政措置の充実について国に要望していく。
Q広田委員 道として、学校給食の無償化について、その必要性や課題をどのように認識しているのか伺いたい。また、道内の市町村における給食費の無償化の状況などについて伺う。
併せて、給食費徴収の公会計化の必要性と意義についての認識と道内市町村における導入状況および今後の道の対応について伺う。
A山本学校教育監 学校給食の無償化などについて。道教委が実施した調査では、4年5月1日現在、道内の40市町村が域内の全児童生徒を対象に学校給食費の全額を無償としており、保護者の負担軽減が図られていると認識している。
こうした中、先般、国が策定したこども未来戦略方針において、学校給食費の無償化の実現に向け、自治体における給食実施状況や、法制面も含めた課題の整理や検討を行うことが示されたことから、道教委では過日、その具体化に向けた検討を早急に進めるよう国に要望したところであり、引き続き知事部局とも連携をしながら強く要望していく。
また、学校給食費の公会計化等については、教員の業務負担軽減と学校給食の安定的供給等の観点から、市町村教委に対し、導入を積極的に検討するよう働きかけており、4年5月1日現在、道内74の市町村が公会計化を実施している。
道教委としては、引き続き市町村教委に対し、学校給食費の公会計化などに係る全国の実施、検討状況や先行事例を提供するなど、その導入を促進していく。
(道議会 2023-12-20付)
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