札幌緑丘小 教育実践研究会Ⅲ期 自己決定連続する学び 国語や算数など10授業公開
(札幌市 2023-12-27付)

緑丘小1年算数
減加法と減減法それぞれの良さを考えさせた1年算数

 札幌市立緑丘小学校(田中義直校長)は12月上旬、同校で第23回教育実践研究会第Ⅲ期を開催した。研究主題「学びに自分の意志をもつ子」のもと、10授業を公開。本年度の重点「自己決定が連続する学び」を取り入れた授業実践を披露した。

 本年度3回目となる今回の教育実践研究会では、国語、算数、音楽、特別支援教育の10授業を公開。

◆1次公開1年算数 2つの方法を比較

 1年4組算数「ひきざん」(西川景教諭、児童数34人)では「12―3」の計算を10のまとまりと残りの数から考え、減加法と減減法の良さに気付かせる授業を展開した。

 単元では、身近な生活経験の中から数学的な見方・考え方の良さを感じられるよう、10個入りの卵パックを題材に取り入れ「10とあといくつ」という考え方を意識できるようにしている。

 児童たちはこれまで「12―9」「12―8」など繰り下がりのある引き算に取り組み、10のまとまりから引く減加法を用いて解決してきた。

 10時間扱いの4時間目となる本時では、減数がこれまでより少ない「12―3」を取り扱い、減減法に初めて触れる。

 全体交流で児童たちは、黒板の前に出てブロックを動かしながら説明。

 西川教諭は、10のまとまりから3を引き残りの2を足す方法(減加法)、余った2を引いたあと10のまとまりから1を引く方法(減減法)の2つの考え方があることを、板書などを通して分かりやすく伝え「10のまとまりから引くだけではなく、ばらけた分から3を引く考え方もあるんだね」とまとめた。

 これを踏まえ「どちらのやり方が好き?」と問いかけ、2つの計算方法の違いを考えさせた。「小さい数字だと、ばらけた分から引いた方がやりやすい」「大きい数字は10から引いた方が速い」といった意見を価値付け、2つの方法にはそれぞれ良さがあることに気付かせた。

◆2次公開4年音楽 異なる楽器で工夫

 4年2組音楽「いろいろな音のひびきを感じ取ろう」(若林麻衣子教諭、児童数31人)では、異なる楽器の音色を重ねたりつなぎ合わせたりして、それらが生み出す変化や良さに気付かせる授業を展開した。

 若林教諭は導入で、スネアドラムと鈴を同時に演奏。児童たちから「2つの音が重なるときれい」などの声が上がった。

 一方、スネアドラムとトライアングルをつなげると「ドラムロールで盛り上がったところにトライアングルの音が来て“終わった”って感じがした」と異なる印象を抱いた。

 使う楽器と重ね方、つなげ方によって感じ方が変わることを実感させ「音色をつなげたり重ねたりするとどんな感じに聴こえるかな」と課題につなげた。

 グループでの活動に移り、児童たちはスネアドラム、シンバル、コンガ、ボンゴ、タンバリン、ウッドブロックなど様々な楽器を鳴らしてどのような音色が生み出されるか試行錯誤した。

 このあと「鈴とコンガをつなげると追いかけている感じがする」「コンガとボンゴをつなげて波が来て引く感じを表現した」などと各グループがつくった音色を交流。

 「違う楽器を使うとどうなるのかな」「他のグループの音色を参考にもっといい音色をつくりたい」といった思いを引き出し、つぎの活動につなげた。

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緑丘小4年音楽
様々な楽器の音色を重ねたりつなげたりした4年音楽

(札幌市 2023-12-27付)

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