国研 全国学力等調査CBT化へ 附属函館中で模擬試験 口述問題や操作方法視聴など(学校 2024-01-22付)
国研全国学調CBT化
【函館発】全国学力・学習状況調査のCBT方式が次年度から順次実施されるのを前に、国立教育政策研究所は調査問題の在り方を調査する研究事業を國學院大學に委託して実施している。道内では道教育大学附属函館中学校(中村吉秀校長)が国語と理科の協力校に指定され、3年生101人が模擬試験を受験。国語の「話すこと」領域における口述式問題をはじめ、動画によるチュートリアル(操作方法)視聴などCBTならではの問題にヘッドフォンを着用して臨んだ。生徒からは「タイピング入力によって円滑に回答できる」などの利点が挙がる一方で、記述式問題では「字数制限の設定によって、回答を整理しづらい」との課題を指摘する意見も寄せられた。
事業は全国学力・学習状況調査を実施している7教科のCBT化に向け、4年度から全国の小・中学校、義務教育学校12校で模擬試験による試行・検証を行うもの。開発した問題をメクビットに実装し、児童生徒の資質・能力を的確に測定することができるよう、効果的な操作方法や問題作成ガイドラインの作成を目的としている。
国語と理科で指定を受けた同校は3年生が45分間でCBTに実装した模擬試験を受験。国語の口述式問題ではヘッドフォンを着用し、出題の意図に従って回答を録音・提出するなどの操作に対応した。
当日は多くの生徒が制限時間内に試験を終え、試行実施は順調に進んだ。生徒の池ノ上虎汰郎さんは「記述問題はタイピング入力によってスピード感を持って取り組めた」とCBTの利点を実感。小鹿美翔さんは「紙ベースではモノクロ印刷で見えにくい図や写真もあったが、タブレットでは鮮明に理解できる。各教科で操作説明もあり分かりやすかった」と話した。
一方、国語科の記述式問題では「文章を要約するまでの過程で多くの文量を入力したあとに整理しようと思ったが、字数制限でかなわなかった」と困り感を振り返った。
事業のテクニカルアドバイザーを務める國學院大の寺本貴啓教授によると、CBTならでは問題の例として、理科では実験過程の録画提出なども想定できるという。事業を通して「CBTだからこそ測ることのできる資質・能力を問う問題や児童生徒がつまずかない操作説明の開発に努めていきたい」と話した。
国研と同大は今後、協力校から得た試験結果とアンケートをもとに、運営上の課題を整理。教科・校種ごとの委員会を通して問題作成ガイドラインおよび報告書をまとめる予定としている。
(学校 2024-01-22付)
その他の記事( 学校)
岩見沢北村小で建設企業出前授業 土木は人の役に立つ 環境問題とのつながり学ぶ
【岩見沢発】岩見沢市立北村小学校(角銅隆校長)で23日、建設企業㈱砂子組による環境問題と土木に関する出前授業が行われた。4年生10人が参加。児童は土木の仕事や環境問題について理解を深めた。...(2024-01-31) 全て読む
静内農高 商品開発促進PJ 地元と連携し特産品開発 日本最大の商談会に出店も
【苫小牧発】静内農業高校(赤穂悦生校長)は、新ひだか町をはじめとする地元産業団体等と連携して特産品開発を行う「静農商品開発促進プロジェクト」に取り組んでいる。2年目となった5年度は計9商品...(2024-01-30) 全て読む
教員養成担当教員 全国縦断で育成 博士後期課程設置へ協定 道・大阪・福岡の3教育大
道教育大学、大阪教育大学、福岡教育大学は17日、東京都内の学士会館で、7年度の共同開設を目指す博士後期課程設置に向けた協定書の締結式を行った。道教育大の田口哲学長、大阪教育大の岡本幾子学長...(2024-01-26) 全て読む
建設業の魅力など伝える 高木組 函工高生に出前授業
【函館発】函館工業高校(坂野裕悦校長)は昨年12月下旬、環境土木科2年生を対象に(株)高木組(函館、中田俊一郎社長)による出前授業を実施した。道開発局函館開発建設部発注工事の現場代理人兼監...(2024-01-25) 全て読む
帯広大正小 JAGA育 6年度から教育課程に ふるさと・キャリア教育等を体系化
【帯広発】帯広市立大正小学校(田中善久校長)は、地域の特色を生かした教育活動を「大正JAGA育」としてまとめ、ふるさと教育・キャリア教育等の体系化を目指している。5年度内に目標や実施時期、...(2024-01-24) 全て読む
帯工高 2級建築施工管理検定 3年生31人が1次合格 過去最多の快挙に
【帯広発】帯広工業高校(中島泰彰校長)の3年生31人が2級建築施工管理技術検定第1次検定に合格した。同校受検者の約8割が合格し、過去最多の合格者を輩出。生徒たちは高校生活の集大成として得た...(2024-01-19) 全て読む
雄武小・中等整備基本方針 一体的校舎視野に検討 スポセン等は共用・集約も
【網走発】雄武町教委は昨年12月、文教地区における教育施設等整備基本方針をまとめた。老朽化が進む小・中学校を含む四つの学校施設とファミリースポーツセンターなどの五つのスポーツ施設が対象。少...(2024-01-16) 全て読む
苫小牧総経高がコンソーシアム設置 より求められる学校へ 企業も生徒理解深化希望
【苫小牧発】苫小牧総合経済高校(池田隆校長)は昨年12月中旬、同校で学校連携組織(コンソーシアム)の第1回会議を開催した。これまで以上に地域や地元企業に求められる学校、生徒から選ばれる学校...(2024-01-15) 全て読む
笑顔が輝く出発点に 式典で特色ある教育活動振り返る 美深高養あいべつ校が10周年
【旭川発】美深高等養護学校(濱裕晃校長)あいべつ校の開校10周年記念式典が昨年12月上旬、同校体育館で執り行われた。全校生徒をはじめ、来賓として上川教育局の岸本亮局長や愛別町教委の馬場信明...(2024-01-11) 全て読む
札工高 課題研究発表会 地域等協働の成果示す 広場改修や河川調査など
札幌工業高校(太田潤一校長)は19日と21日の2日間、同校で3年生課題研究発表会を開催した。元町交流広場の改修や琴似発寒川における河川調査など、本年度取り組んできた学習の成果を発表。生徒は...(2023-12-27) 全て読む