函館市教委 新しい学び定例報告会 推進教員の実践共有 桔梗小 ICT活用授業公開(市町村 2024-01-31付)
新しいかたちの学び定例報告会
【函館発】道教委の「新しいかたちの学びの授業力向上推進事業」の指定を受けている函館市教委は25日、桔梗小学校(近江辰仁校長)で第5回定例報告会を実施した。同校推進教員の武田秀文教諭がICTツール「FigJam」を活用した5年生算数科の授業を公開。児童が主体的・協働的に学べる環境で数式の有用性を理解できる指導の在り方を探った。
市教委はあさひ小学校の清水布美子教諭、桔梗小の武田教諭、北昭和小学校の中村良夫教諭の3人を推進教員に指定。国語と算数のチーム・ティーチングによる授業改善でICTを効果的に活用し、児童に学びを委ねる授業づくりを目指している。
日本教育工学協会の学校情報化優良校に指定されている桔梗小は日頃からICTを活用した教育活動を推進。同校で行われた定例報告会では、市教委の担当者や推進教員らが同校の武田教諭が指導する5年生の算数科「変わり方を調べよう」を参観した。
単元は連なる正三角形の数に比例し、棒の数がいくつ必要になるかを考える内容。武田教諭は「棒の数を式で求めよう」とめあてを設定し、1~5までの正三角形の数に比例する棒の数を図や表を用いて可視化した。
児童は図表をもとに、正三角形の数が7個に変わった場合の解を表す数式を考案。「2×7+1=15」と設定した理由について他者の意見がリアルタイムで確認できるICTツール「FigJam」に考えを入力した。
個人思考後は友人と考えを共有。武田教諭は児童が「三角形の数に比例して、棒の数が2倍+1となる」などと意見を交わしているのを確認し、本時のまとめを全体で共有。正三角形がいくつに変わっても同様の式で解が表せることを再確認した。
推進校の関係者で行った研究協議では「子どもたちに委ねる学びの在り方」をテーマに意見を交換。児童が算数を通じできまりを見つける面白さを実感できる授業や考えを引き出す発問の工夫、チーム・ティーチングを生かした指導展開などが話題に上がった。
渡島教育局の中嶋由佳主任指導主事は「45分間の中で丁寧な授業が進められていた一方、子どもが式の有用性を理解できる声かけがあるとより良い。めあてより、子どもが本時で何を学ぶかを分かりやすくすることが大切。ペアで話している内容を把握し、何を伝え合ってほしいのか、どこにつまずいているのかを指導者が寄り添いながら育てていく必要がある」と助言。学習課題を明確化し、単元全体を通した思考過程を考える必要性を呼びかけた。
第6回定例報告会は2月22日に北昭和小で実施予定。本年度の事業の振り返りを行う。
(市町村 2024-01-31付)
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