新しい学び授業力向上で最終報告会 協働的な学び等が充実 森町教委 家庭学習電子化も
(道・道教委 2024-02-13付)

森町新しい学び最終報告

 【函館発】道教委の「新しいかたちの学びの授業力向上推進事業」の指定を受けている森町教委は6日、森町立森小学校で最終定例報告会を開き、本年度の事業成果と課題を振り返った。推進教員が児童と学校に実施したアンケート調査結果によると、推進校・連携校共に個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させる意識が向上。家庭学習のデジタル化が進むなどの成果が上がった。次年度は校内研究と事業の一体化を図るほか、推進教員の派遣日程の年間計画への位置付けを調整する方針。

 会議には森小とさわら小学校に勤務する推進教員のほか、連携校の駒ケ岳小学校、尾白内小学校、鷲ノ木小学校の教頭、町教委の名生達也参事、渡島教育局義務教育指導班の中嶋由佳主任指導主事が出席。本年度の成果と課題を振り返るとともに次年度の方向性を明らかにした。

 町では2人の推進教員が昨年7月と12月に児童と推進校および連携校の担任を対象にアンケート調査を実施。半年間の推移から見えた課題と成果を考察した。

 調査は5点満点で集計。児童用アンケートのうち「自分で工夫しながら問題を解く授業はどのくらい好きか」の項目では7月期3・49、12月期3・44とほぼ同様の結果が見られた。一方、担任用アンケートの「児童自身が解決方法を模索し、課題解決を目指す学習で複線型の授業はどのくらい取り入れているか」の項目については、7月期2・66から12月期3・07と0・41ポイント上昇。担任が複線型の授業になじみ始めている一方、児童の実態から指導の確立はいまだ課題となっていることを指摘した。

 児童用アンケートの「みんなで相談しながら問題を解く授業はどのくらい好きか」の項目は7月期4・04から12月期4・11に微増した。担任用アンケートの「授業時間に児童間の交流場面をどの程度取り入れているか」の項目においても7月期3・45から12月期3・61と、0・16ポイント上がり「協働的な学びの良さを児童も感じていると思われる」と分析。児童の傾向や期待に添える授業の在り方を一層強化する必要性を訴えた。

 また、配置校・連携校共に個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させる意識が向上していると報告。メクビットの設定やオンライン版チャレンジテストの実施、家庭学習のデジタル化が進んでいることを成果とした。

 一方、校務の情報化や授業改善、ICT活用への積極的な取組と学力向上を検証する根拠、中学校との連携等を課題に挙げた。

 次年度の方向性については、事業と校内研究の合致や推進教師の派遣日程の年間計画位置付け、協議内容の周知の仕方の工夫などを共有した。

 中嶋主任指導主事は「学力向上に向け、アンケート結果とチャレンジテストなどのデータをもとに主観と客観の両面から事業の成果を検証してほしい」と助言。「事業と各校の校内研究は主体的・対話的で深い学びの実現を目指しているため、相互の関連を明確化することが重要。渡島局としても年間を見通した情報提供ときめ細かな支援に努めていく」と話した。

(道・道教委 2024-02-13付)

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