新研修制度の成果・課題を協議 時間等確保へ環境整備を 研修観転換 校長の役割重要
(道・道教委 2024-02-28付)

教員養成協議会
教員養成協議会

 道教委は26日、札幌市内の道第二水産ビルで第3回教員育成協議会を開き、研修履歴を活用した受講奨励による新たな研修制度の成果・課題を協議した。学校現場からは円滑に制度導入や共通理解が進む一方、面談・校外研修の参加に必要な時間・機会を確保する環境整備の必要性を指摘。子どもたちの学びとともに教師自身の学び(研修観)を転換する校長の役割や、教員自身の自主的な学びにつなぐ効果的なリフレクション(振り返り)の重要性を確認した。

 5年度から新たな研修制度が開始。各学校では、主体性を尊重し、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指す子どもたちの学びのロールモデルとなる「新たな教師の学びの姿」の実現に向けた対応が進められている。

 会議には4種校長会、PTA団体の代表、大学の有識者ら委員12人が出席した。

 各校長からは、受講奨励や組織的な校内研修が進む中、研修に参加する教員の時間や教職員と面談する時間が不足している実態を報告。教科によって代替の空き時数を埋めることが負担となっているほか、教員の配置人数が少ない小規模の中学校では研修の参加が困難な実情を伝えた。

 研修観の転換に当たっては学校管理職のファシリテーション能力や教育行政による支援の必要性が指摘され「いかにして校内研修の改革に取り組む校内のリーダーを育成し、対話によって信頼関係を築くか。教員・管理職の認識にギャップが出ないよう工夫し、時間をかけて取り組まなくてはならない」と意見した。

 また「研修内容を効果的に振り返るリフレクションが重要。上手に組み込むことで個々の教員の気付きが生まれ、主体的な学びが成立する」「アンケートの数値だけで判断することはできない。小中高特の校種ごとに課題を捉える必要がある」「研修動画の視聴数などのデータの分析もつぎの段階として必要」などの意見があった。

 最後に川端香代子学校教育局長があいさつ。研修観を転換する意味を再確認するとともに、多様な学びの手段を広く捉える必要があるとし「全道の教育関係者が制度の趣旨についてさらに理解を深め、一体となって教員の力を高める、子どもたちの教育へとつなげる取組を進めていきたい」と述べた。

(道・道教委 2024-02-28付)

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