【解説】教科書発行の現状と課題
(解説 2015-08-20付)

 小・中・高校の教科書のページ数が前教育課程と比べ、過去最大の増加率となっていることが、一般社団法人教科書協会発行の二十七年度『教科書発行の現状と課題』から明らかになった。学力向上を図るため、小・中学校では全教科平均で三割以上増えている。

 同協会は、教科書を取り巻く現状や問題点、協会の活動を理解してもらおうと、『教科書発行の現状と課題』を毎年度発行。二十七年度は、教科書の定価やページ数、編集・制作の流れ、供給の仕組み、被災地への補給などについて十八ページにわたって紹介。

 二十七年度の教科書の平均定価(一冊当たり)は、小学校が三百九十三円、中学校が五百四十円、高校が八百二十三円。諸物価の上昇等に伴い、義務教育用教科書が〇・八%、高校用教科書が〇・六%の引き上げとなった。これまで、教科書定価は、「政策上公共料金として低廉とすること」とされ、「東京都の最低賃金や公立小学校の給食費と比べても、低い水準で推移している」(同協会)という。

 二十三年度から順次実施された現在の教育課程における教科書のページ数(全教科平均)は、小学校が前教育課程の十七年度に比べて三四・二%、中学校が十八年度と比べて三〇・五%、高校が二十三年度と比べて一三・一%増加。これは、学力向上を図るため学習指導要領の内容が増えたことに加えて、言語活動の充実や、児童・生徒の分かりやすさ・学びやすさを追求して、教科書の記述やレイアウトを工夫したことによるもの。

 また、二十四年度から小・中学校教科書全点について、拡大教科書を発行、高校教科書についても、拡大教科書の発行を拡充するとともに、タブレット端末を活用した教科書紙面の拡大表示での対応を進めている。

(解説 2015-08-20付)

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