札幌工業高の父兄が工事現場見学　子の進路選択の参考に　建設業への認識深める

（学校 2015-11-05付）

札幌工業高の父兄が工事現場見学

　札幌工業高校の父兄は十月二十一日、札幌市内で工事現場見学会に参加した。見学会は、建設業を理解してもらう目的で、一般社団法人札幌建設業協会（岩田圭剛会長）が主催したもの。同校の教諭を含め二十一人が参加した。建築現場では父兄が作業所長に、「墜落する危険はないのか」「雪が降ったら除雪はどうするのか」などと熱心に質問していた＝写真＝。

　高校生の保護者を対象とした現場見学会は、若手技術者の確保の一環として、初めて行われたもので、生徒の進路決定に影響をもつ父兄や教諭に建設業を知ってもらうのがねらい。

　当日は、札幌市内で「札幌市立二条小学校改築工事」「開成中等教育学校流域貯留施設整備工事」の二現場を視察した。

　二条小学校改築では、現場近くの民間ビルに間借りしている工事事務所で説明会を開催。同協会の村井悟専務理事が見学会の趣旨を説明し、「建設業への理解を深めてもらうのが目的。ものづくりを感じていただければ」と述べた。

　工事を担当する伊藤組土建㈱の川口哲司作業所長も工事概要を説明しながら、建設業の魅力を紹介。「建築に携わり三十年、二十～二十五件の建築物を手がけてきた。五十歳を過ぎても魅力ある仕事」と自身の経験を踏まえて、ものづくりへの思いを訴えた。また、同社勤務二年目の屋仲政輝さんもあいさつし、「安全も考慮し、管理が難しい仕事だが、それだけに達成感はほかの職業では味わえない」と話した。

　一行は現場に移動し、川口所長の案内で安全対策の手順や型枠の工程の説明を受けた。同校建築科に通う子をもつ母親は、「子どもは就職希望だったが、インターンシップで刺激を受け、進学かで悩んでいる。私も工事現場を見てみたいと思い参加した」と言い、熱心に説明を聞いていた。

　同校の池田尚志校長はこうした試みを、「親にも建設業の正しい実態を知ってもらういい機会」と話していた。

(学校 2015-11-05付)