道高教組・道教組などが全道合研　主権者として学び合いを　１８歳選挙権でテーマ討論

（関係団体 2015-11-16付）

全道合研テーマ討論

　道高教組、道教組などで構成する実行委員会は七・八日、江別市内の札幌学院大学で「２０１５合同教育研究全道集会」（全道合研）を開いた。二日間で延べ一千三百四十九人が参加。基本目標「平和を守り、真実をつらぬく民主教育の確立をめざして」のもと、学び合いを深めた。初日、「十八歳選挙権」についてのテーマ討論では、「十八歳選挙権を機会に、生徒も教師も、同じ主権者として学び合うことが大切」などの意見が出た。

　全道合研は、道高教組、道教組など四十六団体で構成する実行委が主催。一九七六年の第一回開催以来、ことしで四十回目を迎えた。

　初日は午前中、五テーマ別に討論を行った。このうち、「十八歳選挙権の実現、私たちはこんな力を身につけたい」をテーマとした討論＝写真＝では、十代・二十代の若者たちが意見発表した。

　発表者の一人は、「選挙権をもつことで、政治への関心がもてるようになる」と十八歳選挙権を歓迎するとともに、管理教育でがんじがらめにされていたと自らの高校生活を振り返り、「日本の学校教育で足りないのは、生徒自身の思いを話し合う場。教師が手を出しすぎると、生徒は考えることをやめてしまう」と訴えた。

　別の発表者は、生徒の主体性を尊重する高校で、自主的に生活規約を改正できた経験をもとに、「自分一人が何を言っても変わらないと思っていては、政治への意識も生まれない」と述べた。

　そのあと、「主権者教育をどのように学校や地域で進めていくか」「政治的中立性に対して、どういう対応をしていくか」について討論した。

　参加者からは、「生徒も教師も、もっと自由に考えて良いのではないか。自分たちの声を上げる場が大事」「生徒たちは、常に正しい答えを出すことを求められてきたが、選挙とは、正しい答えを出すのではなく、自らの選択をするもの。たとえ間違っていても、討論する中で自信がつけば、主権者として育つのでは」「これからは、学校で生徒が教師に、政治について聞く場面が必ず出てくる。そのときには、堂々と自分の考えを話せば良い。一人の教師が多様な意見を示すことはできないが、十人の教師がそれぞれ意見を言えば、総体として多様な意見となる。生徒たちから意見が沸き上がるような学校づくりを期待している」「大人だって政治的教養をほとんど身に付けていない。十八歳選挙権を機会に、生徒も教師も、同じ主権者として学び合うことが大切」などの意見が出た。

　初日は午後から、二十四分科会に分かれてレポート発表と協議を行った。

　そのあとの「教育の夕べ」では、小説家・詩人で、道立文学館館長の池澤夏樹氏が「原発、沖縄基地、憲法、教育…～日本の将来、北海道の未来」と題して記念講演。知識人として、社会や政治の動きに対して声を上げ続ける必要性を訴えた。

　二日目は、引き続き、分科会を行った。

(関係団体 2015-11-16付)