私学特別研修会外国語教育改革特別部会　指導力向上へ情報交換　札幌で北日本エリア初開催

（関係団体 2015-11-17付）

私学特別研修会

　一般財団法人日本私学教育研究所主催の私立学校特別研修会外国語（英語）教育改革特別部会「北日本エリア」が、十三日から二日間、札幌聖心女子学院中学校・高校ほかで開かれた＝写真＝。公開授業や実践発表、講演会、ワークショップなどを通して、今後の英語教育の方向性について考え合った。

　私立学校において、次期学習指導要領や大学入学者選抜改革を含めて、国が進める英語教育改革にかかる最新の情報が十分に伝わっていない現状を踏まえ、本年度から新たに全国五会場で行う研修会。私立学校の英語教員の英語力・指導力強化を図るためには、二十一世紀型教育にふさわしい最新の教授法と情報を早急に取り入れる必要があると考え、本年度から特別研修会「外国語（英語）教育改革特別部会」を全国五ヵ所で行うこととした。日本私立中学高校連合会が後援。

　開会式で、あいさつに立った日本私学教育研究所の中川武夫所長は、英語の教育改革が進む中、現職教員の資質・能力の向上の必要性を指摘。「英語四技能のうちスピーキングが苦手という人、改革に抵抗する人などがいるが、四技能を身に付けて、今後の英語教育を見直す機会をつくっていきたい。今後、英語に自信のない先生にも参加しやすい研修会にしていきたい」と意気込みを述べた。

　教員の意識改革の大切さについてもふれ、学校間で連携する縦の改革と、教科間の枠をとって連携する横の改革の視点を提示。「教員は個人商店のようにならず、連合商店街のようにみんなで協力できる職員室にするため、英語担当教員が接着剤となってほしい」と他教科との連携を意識するよう呼びかけた。

　このあと、札幌聖心女子学院中学校・高校の阿部益太郎校長が同校の英語教育の特色を紹介し、実り多い研修会となるよう期待を寄せた。

　中学校と高校の英語の五授業を公開したあと、同校のチャプレン宗教教育・国際教育担当参与の田口保子氏が「本校の英語教育の取組について」、堀内成子教諭が「本校のルーブリックの取組について」をテーマに実践発表を行った。

　二日目は、京王プラザホテル札幌で、「大学入試改革と英語教育の行方」と題して東京外国語大学大学院総合国際学研究院の根岸雅史教授が講演。午後からは「新しい英語教育にどう対応するか～ＣＬＩＬの考え方と四技能の評価」をテーマに、上智大学言語教育研究センター副センター長である藤田保教授がワークショップを行い、パフォーマンス評価について体験的に学んだ。

(関係団体 2015-11-17付)