東川町教委の教育行政執行方針―林教育長説明 ふるさと教育など重点に 国際教育研究校指定目指し準備
(市町村 2016-04-22付)

東川町林万里
東川町教委・林万里教育長

 【旭川発】東川町教委の林万里教育長=写真=は、三月上旬に開かれた町議会第一回定例会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。ふるさと教育や学力向上、国際理解教育の推進を重点に設定。アクティブ・ラーニングなどによる授業改善に努め、学力向上を図る。また、二十九年度文部科学省の国際教育の研究開発学校指定に向けた準備を進める。このほか、コミュニティ・スクールやチーム学校を導入。加えて、従来の学校地域支援本部を見直し、新たな体制として、「地域学校協働本部」を整備し、学校と地域の連携体制を充実させる。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【基本方針】=すべての町民の学ぶ機会を保障し、自らの可能性を開花することにより、地域創生に貢献できる社会の実現

▼重点1=ふるさと教育の推進

 児童生徒が郷土の自然や人間、社会、産業等とふれあう機会を充実させ、ふるさとの良さの発見や愛着心の醸成など、ふるさと東川に誇りをもち、郷土を愛する人材の育成に努める。

▼重点2=学力向上対策の推進

 子どもたちに基礎学力が確実に定着するよう、学校・家庭・地域の連携を強化する。また、「アクティブ・ラーニング」「協働学習」などを取り入れ、学びの質を深める授業を積極的に進める。

▼重点3=国際教育の推進

 幼・小・中・高の連携や地域の人材・資源の有効活用によって、国際社会で活躍できる子どもの育成を図る。そのため、二十九年度文部科学省の国際教育にかかる研究開発学校の指定に向けた取組を進める。

【主要施策】

▼町長との連携強化

 定期的に開催される総合教育会議の中で、大綱の見直しや不登校・いじめ問題、教育環境の整備等について意見交換を行うなど、町長と教育委員会との連携強化を図る。

▼就学前教育(乳幼児保育・幼児教育)の推進

 乳幼児保育と幼児教育の充実を図るとともに、学校教育へのより滑らかな接続を目指すため、幼小の交流事業や社会体験活動を通したプレスクール事業を積極的に展開し、きめ細かな保育・教育活動の推進と円滑な就学に努める。

 また、子育て世帯のニーズが高い一時保育やゼロ歳児保育、延長保育など特別保育事業について、小規模保育事業の活用検討や職員体制の見直しなど、より一層の充実を図る。

▼学校教育の推進

▽新学習指導要領改訂への準備

 改訂学習指導要領の実施年度が、小学校で三十二年度、中学校で三十三年度を予定しており、小学校では英語が教科として本格導入されるほか、道徳は、質的転換を図ることを目的に、小・中学校で「特別の教科」として先行実施も予定されていることから、研修会や公開授業に参加するなど準備を進める。

▽地域と学校の連携・協力

 「地域とともにある学校」への転換が求められているため、地域学校協働本部が中心となって「コミュニティ・スクール」の推進や、教育課程を介して地域社会とつながる「チーム学校」の導入など、学校と地域との連携・協働体制の充実を図る。

▽きめ細かな授業の推進

 学習支援員・教育補助員・特別支援教育支援員等を配置し、少人数指導や習熟度別指導等の「きめ細かな授業」を実施するなど、学習内容の確実な定着と自ら学び考える力を育成する。そのため、中学校で三十人学級による少人数指導を実施するほか、学習が遅れがちな生徒に対する「地域未来塾」を開設する。また、小・中学校で外国人子弟等に対する学習支援を行う。

▽読書活動の推進

 各小・中学校において、朝読書や読み聞かせ事業の充実、教科学習での学校図書館の活用を図る。そのため、学校図書館の蔵書の充実を図るとともに、司書教諭や司書等が中心となり、「読書通帳」の取組や「ブックトーク」事業を積極的に進める。

▽食育の推進

 東川小学校の体験農園や果樹園等で子どもたちが自ら収穫したお米や野菜などを、町内の幼児センターや小・中学校の食材として活用する。また、食材の購入と弁当づくり、さらに後片づけまでを各家庭で子どもたち自身が行う「弁当の日」の充実を図るとともに、本年度から世界の料理を学校給食に提供する「給食で世界を旅しよう!」を本格実施する。

▼学社連携の推進

 町学社連携推進協議会が推進母体となり、地域と学校が連携・協働して、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支えていく「地域学校協働活動」を積極的に推進する。

 具体的には、町地域交流センターを核施設として、その周辺の野球場、サッカー場、体験農園(水田・畑)、果樹園、プレイパークなどの施設を活用して、様々な運動や体験活動等を組み入れた社会教育プログラムを展開する。

 このため、従来の「学校支援地域本部」の見直しを行い、総合化・ネットワーク化を図り、「支援」から「連携・協働」を目指す新たな体制として「地域学校協働本部」の整備を進める。

(市町村 2016-04-22付)

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