【解説】「「読めるけど書けない」―漢検
(解説 2016-07-08付)

 日本漢字能力検定協会(本部・京都市)が過去の「漢検」の正答率を設問項目ごとに調査した結果、「読み」に対して「書き取り」の正答率が約二〇ポイント低く、「読めるけど、書けない」状況にあることが分かった。

 調査は、平成二十五~二十七年度に第二回公開会場で実施された「漢検」の問題で、すべての常用漢字(二十二年十一月三十日付内閣告示に示された二千百三十六字)を理解し、文章の中で適切に使えるレベルである、二級を対象に行われた。

 算出対象年度の二級の問題は、「読み」「部首」「熟語の構成」「四字熟語(書き取り)、四字熟語(意味)」「対義語・類義語」「同音・同訓異字」「誤字訂正」「漢字と送りかな」「書き取り」の九設問。

 二十七年度の設問項目別正答率をみると、「読み」は八四・三%なのに対し、「書き取り」は六六・一%と一八・二ポイントの差があった。

 パソコンやスマートフォンの普及に伴い、漢字を手書きする場面が少なくなってきている昨今、「読めるけど、書けない」という状況が「漢検」の正答率からもうかがえる結果となった。

 また、「書き取り」の応用問題である「四字熟語(書き取り)」は四三・九%、「誤字訂正」は五九・八%、「対義語・類義語」は六〇・五%と、いずれも正答率が低く、同協会では「単に漢字一字一字を書けないという事象にとどまらず、四字熟語や対義語・類義語といった幅広く語彙を使いこなす力が求められる分野にも影響が出ている」とみている。

 次回の「漢検」は十一月六日に行われる。申込みは十月六日までとなっており、全国四十七都道府県、約百八十の会場で受検できる。

(解説 2016-07-08付)

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