【解説】国際数学・理科教育動向調査
(解説 2016-12-05付)

 二〇一五年「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS)で、日本の小中学生の平均点が前回を上回り、過去最高となった。順位も前回に続きすべて五位以内に入った。

 国際教育到達度評価学会(IEA)が十一月二十九日に公表したもの。調査は一九九五年から四年ごとに実施。第六回となる二〇一五年には、小学校は五十ヵ国・地域の約二十七万人、中学校は四十ヵ国・地域の約二十五万人が参加。日本は二〇一五年三月に実施し、百四十八校の小学四年生約四千四百人、百四十七校の中学二年生約四千七百人が参加した。

 調査は、過去の結果と比較できるよう九五年の国際平均点を五百点とし、得点を統計処理した。

 日本の小四の平均点は、算数が前回より八点上がって五百九十三点、理科も十点上がり五百六十九点。算数の順位は前回と同じ五位だったが、理科は一つ上がって三位となった。

 中二の平均点は、数学が十六点伸びて五百八十六点、理科も十三点上がり五百七十一点となった。数学は前回と同じ五位、理科は四位から二位に上がった。中学の数学、理科の平均得点が統計上有意に上昇したのは初めて。

 成績上位のほとんどはアジア勢が占め、すべてシンガポールがトップだった。

 学力調査とともに行われた意識調査では、算数・数学、理科が「楽しい」と思う児童生徒の割合が増加。小四では算数が七五%で前回より二ポイント上がり、理科は前回と同じ九〇%だった。中二では数学が四ポイント上がり五二%、理科も三ポイント増えて六六%だった。中二で「勉強すると日常生活に役に立つ」と答えたのは数学が七四%、理科が六二%で、いずれも前回より上昇したが、国際平均からは一〇ポイント以上下回った。

(解説 2016-12-05付)

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