【解説】PISA2015発表(解説 2016-12-09付)
経済協力開発機構(OECD)は六日、二〇一五年に実施した国際学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。日本は「科学的応用力」が前回一二年の四位から経年比較が可能な〇六年調査以降では最高の二位、「数学的応用力」も七位から五位に上昇し、「脱ゆとり教育」の効果が着実に表れた。前回四位の「読解力」は八位に落ちた。
PISAは、二〇〇〇年から三年ごとに読解力、数学的応用力、科学的応用力を調査しており、今回は七十二の国・地域の十五歳の生徒約五十四万人が参加。日本では、無作為に抽出された百九十八校、約六千六百人の高校一年生が三分野のテストを受けた。
日本は科学的応用力が前回一二年の四位から二位、数学的応用力も七位から五位に上昇。文部科学省は「引き続き国際的に上位に位置している」と評価。読解力は四位から八位に後退。同省は、今回調査方法が筆記型からコンピュータ使用型調査に全面移行したため、「回答に手間取った可能性がある」としている。OECD加盟三十五ヵ国の中では、科学的応用力(前回一位)と数学的応用力(同二位)は一位、読解力(同一位)は六位。
日本の平均得点は、科学的応用力が前回比八点減の五百三十八点、数学的応用力が四点減の五百三十二点で、いずれも統計的には横ばいだった。読解力は二十二点減の五百十六点に落ち込み、前々回の〇九年(五百二十点)と同水準。
三分野のうち、今回は科学的応用力を詳細に分析。「科学が将来役に立つ」と感じている生徒の割合は六一%で、OECDの平均六九%を下回ったものの、〇六年調査と比べ一五ポイント近く伸びた。
三分野のトップはシンガポールが独占。日本のほか香港や韓国などアジア勢が上位を占めた。
(解説 2016-12-09付)
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