【解説】給付型奨学金制度案固まる
(解説 2016-12-20付)

 文部科学省は、大学生などを対象とした返済不要の給付型奨学金創設に向けた最終的な制度案を固めた。具体的な給付月額は、自宅から国公立大に通う学生が二万円、私立大に通う自宅生や親元を離れて下宿先から国公立大に通う学生が三万円、私立大に通う下宿生は四万円とする。国立大生は、授業料減免制度を踏まえ、給付額を調整。児童養護施設の出身者には入学金の負担を軽減するため、入学金相当額を追加給付。額は二十四万円前後で調整。

 高等教育への進学にかかる費用については、所得の多寡にかかわらず相当の額が必要とされ、意欲と能力があるのにもかかわらず、経済的事情によって進学を断念せざるを得ない若者が存在する状況となっている。こうした人の進学を後押しし、進学に向けた学生の努力を促す仕組みとして、給付型奨学金が制度化される運びとなった。

 給付型奨学金をめぐっては、自民・公明両党が十一月、住民税非課税世帯の学生を対象に、月三万円を基準に具体的な給付額を定めることや、一学年当たり約二万人に給付するよう政府に提言。これを受け、文科省が具体的な制度設計を進めてきた。

 給付対象者は、日本学生支援機構の貸与型奨学金対象者に準じ、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校専門課程に就学する、住民税非課税世帯の学生。

 学習成績や課外活動などで優れた成果を上げた人の中から各高校の校長が推薦して決まる。推薦基準については、文科省がガイドラインを策定。適格認定制度によって、毎年度学業の状況を確認することを前提とした上で、給付する。

 平成三十年度から本格的な運用を開始。一学年当たり約二万人が対象になると見込む。二十九年度には特に学費負担の重い学生を対象に先行実施する。

(解説 2016-12-20付)

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