【解説】中・高校生の英語力向上
(解説 2017-04-11付)

 文部科学省がまとめた二十八年度英語教育実施状況調査結果によると、英検準二級以上を取得または相当の英語力のある高校三年生の割合が、二十七年度よりも顕著に上昇した教育委員会は、沖縄県(一四・四ポイント増)、神奈川県(一二・四ポイント増)などとなっている。

 英検三級以上を取得または相当の英語力のある中学校三年生の割合が著しく上昇したのは、奈良県(一三・九ポイント増)、北九州市(一三・八ポイント増)、大阪市(一二・三ポイント増)など。

 ただし、調査結果は、高校の場合、「英検準二級以上を取得している生徒」と「英検準二級以上相当の英語力を有すると思われる生徒」の合計で、中学校も同様の扱いになっている。

 中学校で上昇率が高い奈良県の場合、〝取得〟の生徒が九・七%、〝相当の英語力を有する〟生徒が三八・三%、合わせて四八・〇%。〝取得〟が一割に満たないのに対し、〝相当〟が四割近くと大きく開きがある。

 〝相当〟の基準が明確ではなく、〝取得〟と〝相当〟の割合が教育委員会によって大きく違っていることなどから、単純にほかと比較できないのではないかという見方もある。

 中学校についても、本年度から都道府県と政令指定都市を分けて集計していることから、前年度との比較が難しく、それぞれの数字のとらえには、慎重な姿勢を求める声もある。

 なお、文科省は、生徒の英語力が一〇ポイント程度以上上昇した取組例として、「生徒の英語力を評価し、指導改善に生かすために外部試験を導入」「定期試験を改善したり、パフォーマンステストを導入したりするなど、生徒の英語力をきめ細かく把握するよう市町村教委を指導」などを挙げている。

(解説 2017-04-11付)

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