【解説】教育再生実行会議が提言
(解説 2017-06-05付)

 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大学総長)は一日、学校、家庭、地域の教育力や子どもの自己肯定感を高めるための方策をまとめた「第十次提言」を安倍晋三首相に提出した。子どもが家族と過ごせるよう、夏休みなどの一部を地域ごとに分散させる取組や、学校と地域の結びつきを強める「教師の日」の創設を盛り込んだ。安倍首相は「先生方が子どもたちと向き合う時間を確保し、一人ひとりに適切な指導ができるような環境をつくっていくことが極めて重要」と述べた。

 提言では、「教員の長時間勤務の実態は限界にきている」と指摘。教員に代わって指導や引率を行う「部活動指導員」の配置を促進するほか、指導者資格の在り方を検討するなどして、「地域による部活動」への転換を図るとした。学校事務の効率化を図るため、校務の情報通信技術(ICT)化を促した。

 また、新学習指導要領で小学校の英語が教科化されることを踏まえ、専門的な知識やスキルをもつ外部人材の一層の活用を求めた。

 家庭で親子がふれあう時間が重要として、夏休みなどの一部を学期中の平日に移すなどして、地域ごとに休業日を分散化するよう要請した。

 学校と地域の連携強化に向け、学校を地域に開放する活動も推進する。具体的には、保護者や地域住民が補習授業や行事で学校を支援する「学校応援週間」の導入を国や自治体に要請。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は十月五日を「教師の日」としており、同様な日を設けることで、教員の職責への理解を深める有効策になるとした。

 いじめ対策では、SNS(交流サイト)などインターネット上のいじめに対応するため、相談窓口の充実や対処方法を学ぶ仕組みづくりを求めた。

(解説 2017-06-05付)

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