函館高専が企業インタビュー　仕事に必要な能力理解　函館建青会と連携し初の試み

（学校 2017-09-01付）

インタビューは終始笑顔で行われた

　【函館発】函館工業高等専門学校（伹野茂校長）は六月中旬から下旬にかけて、渡島・桧山管内の建設業十二社を対象とした企業インタビューを実施した。外部へのインタビューは初の試みで、若手経営者で組織する函館建青会（平谷信行会長）が全面的に協力。学生たちは会社概要や求められる学力、建設業に就いた動機などについて取材し、後日、建青会のメンバーも参加する中でその内容を発表した。

　同校では十年以上にわたり、「コミュニケーション日本語」という授業の一環で、教授らを対象にした校内インタビューを実施。コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力を高めるのがねらいで、取材した内容を発表して互いに評価し合う。

　今回のインタビューは、昨年初めて建青会の現場見学会に同校の学生が参加して交流したのを踏まえ、平沢秀之教授が協力を要請。建青会も快諾し、実現に至った。

　六月中旬から下旬にかけて、三人一組で十二班に分かれて各企業を訪問。学生は今後の進路に役立てようと、会社の概要や仕事に必要な学力や能力、経営上の課題などについて取材した。

　七月中・下旬の二日間に分け、取材内容をプレゼンテーション。班ごとにプレゼンテーション用のソフトを用いて、取材内容を報告するとともに、個人の感想などを述べた。

　授業を担当する泊功教授は「学生は企業のことを知り、企業は求める人材などを伝えられる」と双方のメリットを指摘。「社会でクライアントとのコミュニケーションは重要。そのことを実感できる場で刺激になったのではないか」と話している。

　建青会の平谷会長も「業界のことを知ってもらうのに、とてもいい機会になった」と評価。平沢教授は「卒業後、地元に残る生徒が少ないのが現状。地域の建設業が健全に発展していくため、地元企業のことを知る機会は大事」と、取組の意義を訴えている。

この記事の他の写真

建青会のメンバーを来賓に招き、プレゼンも実施した

(学校 2017-09-01付)