札幌市北の沢小が4授業公開 子どもの成長を確かめる会 対話で生き生きと活動(学校 2017-10-24付)
齊藤教諭は対話を通して兵十の気持ちの変化に着目させた
札幌市立北の沢小学校(板田裕子校長)は十八日、同校で子どもの成長を確かめる会を開いた。研究主題「生き生きと活動する子の育成」のもと、国語・算数の四授業を公開。自分の力で思考・判断し、表現する自立した人間の育成に向け、積み重ねてきた実践の成果を紹介した。
本年度は二十七年度からの四ヵ年計画の三年目。研究の視点を①「対話」の動機を生む教材化②「対話」を深める教師のかかわり―の二点として研究を進めている。
4年「ごんぎつね」
この日、公開した授業のうち、四年一組の国語「ごんぎつね」(齊藤寛子教諭、児童数二七人)は十四時間扱いの十時間目。本時の目標を「叙述をもとに気持ちを想像しながら読み、ごんに対する兵十の気持ちの変化を考えることができる」と設定した。
齊藤教諭は研究の視点①の観点から毎時間、読み取ったことの振り返りとして「ごんへの手紙」を書く活動を位置付けた。児童に物語のとらえを振り返りでもう一度見つめさせるほか、次時の導入時には、前時の想起として「ごんへの手紙」を紹介することで学習意欲につなげることをねらった。
「ごんへの手紙」を紹介したあと、児童に第六場面を朗読させた。第六場面はごんぎつねのごんが家にいたずらをしにやってきたと思い、兵十が火縄銃でごんを撃ってしまうもの。
第六場面のごんと兵十の心情を交流させたほか、研究の視点②から、二人の関係性を明らかにするため、「つぐない」「かなしみ」など二人の心情を対比させながら板書。ごんのつぐないに気づくなど、兵十の気持ちが大きく変化した部分に着目させるなど、全体での対話を焦点化させた。
また、ごんのつぐないは兵十に届いていたかを四~五人グループで話し合わせた。つぐないが届いている・届いていないの立場をはっきりさせた上で、その理由を本文の中から説明するように促すなど、対話を深めさせた。
また、全体では届いている・届いていないのどちらにしたか、ネームカードを貼って確認させたほか、火縄銃の“青い煙”について兵十の悲しみ・後悔などと振り返った。
授業終了後は分科会を実施。齊藤教諭の授業について「子どもたちの届いていない意見をもっと取り上げることで対話を深めることができたのでは」「立ち止まり(ごんのつぐないが兵十に届いていたかを話し合う時間)を中心におくべきだったのでは」などの意見が出た。
札幌市教委の船着千世義務教育担当係長は「自分の考えをもち、表出できる力が育まれている。一人ひとりの感じ方の違いにふれて、自分の読みが深まったことを実感できるような振り返りを大事にするといい」と話していた。
(学校 2017-10-24付)
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