【伝えたい!授業づくりの基礎・基本】No.19特別活動編①北海道特別活動研究会(高橋正行会長)「学級活動(1)実践のポイント(上)~話合い活動に至るまで~」
(伝えたい!授業づくりの基礎・基本 2018-01-15付)

伝えたい第19回北特活①
児童の活動計画(クリックすると拡大表示されます)

◆なすことで学ぶ経験を積み上げる

ポイント1 学級活動で育てたい力をしっかりとおさえる

 特別活動では、「問題の発見・確認」「解決方法の話合い」「解決方法の決定」「決めたことの実践」「振り返り」という一連の学習過程を通すことにより、子どもたちの資質・能力を育成していく。

 学級活動を通して育てたい力は、①生活の問題を見付ける力②見通しをもち活動計画をつくる力③協力してやりぬくことができる力④自己・相互評価でき次に生かせる力の4つである。

 本稿では、学級活動(1)の学級会に至るまでの事前の活動に焦点を当てる。

ポイント2 議題選定のポイントを考慮し、議題箱設置へ

 自分たちの力でよりよい学級生活を築いていく力を高めていくためには、生活の問題を見付ける力を育む必要がある。「何のために」「誰のために」「みんなで~したい」を考え、自分たちで議題を選定していく力を身に付けさせたい。そのために「議題箱」の設置が必要となる。そうして学級全員で話し合って解決してほしい問題を計画委員会で取り上げてもらえるシステム(議題箱に提案用紙を入れる)を作る。

 議題箱を置いておくだけでは、問題を見付ける力は育たないので、初期の段階では、提案用紙に何を書いたらよいのかを教師が教える必要がある。

〇学級みんなに関係があるか?〇学級生活をよりよくする内容か?〇話し合うことによって解決できそうか?〇急いで話し合った方がよいか?など、学年の発達段階に応じて教師が適切に関わりながら、計画委員会で議題を選定していく。

●学校で禁止していること●健康安全を害することは、議題にすべきではない(席替えも議題として扱うべきではない)。

ポイント3 計画委員会で話合いの計画・準備・役割分担の調整を

 議題決定後、計画委員会で話合い活動の計画を立てる。計画委員会は司会・記録・提案者の4~5名で組織する。計画委員会は輪番で担当し、どの子にも司会ができる力を身に付けさせていく。

 教師の適切な指導の下、以下の内容について話し合う。学級会までに、「自分たちの問題だ」という意識を高め、子どもたちに学級会への切実感をもたせ、個々がこだわりをもった話合いを展開していくためには、事前の子どもたちの意識の耕しが重要となる。

 事前に学級全体で共有しておくべきポイントを周知しておくことによって、子どもたちの目的意識・参画意識を高めていきたい。

ポイント4 学級会グッズを準備し、円滑に進める

(1)議題箱

 提案用紙と共に設置する。「個人で解決する問題」「係で解決する問題」は、係や個人へ戻してそれぞれで解決してもらう場合もある。「みんなで解決する問題」を学級会の議題として選定していく。

(2)話合いグッズ

 話合い活動で使う表示物を事前に準備しておくと、話合い活動が円滑に進む。

(3)学級の歴史を可視化

 学級目標の実現に向けて取り組んだ活動を学級の歴史として可視化(写真や短冊を用いて)しておくことによって、学級の高まりを意識することができる。

 自発的・自治的活動をつくり出す子どもたちの育成を目指して、このように、低学年から教師の適切な指導の下、学級会で決めて、「為(な)すことによって学ぶ」経験を積み上げたいものである。

(北海道特別活動研究会 札幌市立発寒西小学校 教諭 髙橋慶之)

※次回は「学級活動(1)実践のポイント(下)」を掲載します。

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伝えたい第19回北特活②
板書計画(クリックすると拡大表示されます)

(伝えたい!授業づくりの基礎・基本 2018-01-15付)

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