いじめ問題への対応―6月末現在、道教委まとめ 認知件数は3倍近くに 設問変更で小学校が大幅増(道・道教委 2018-09-19付)
道教委は、ことし六月末現在における「いじめの問題への対応状況の調査」結果をまとめた。学校が認知したいじめの件数は、前年度同期比四千三件増の六千三百四十九件と三倍近く増加。特に、小学校が三千三百二十四件増の四千九百十六件と大幅に増えた。認知したいじめのうち、解消したものは十八件だった。いじめの認知件数が大幅に増加した理由について道教委は、児童生徒が回答しやすいよう、アンケートの設問を一部変更したことを挙げ「児童生徒も、自分の思いを素直に訴えることができたのではないか」と分析している。
道教委はことし二月、本道におけるいじめの防止対策の基本的な方向や具体的な内容などを示す道いじめ防止基本方針を改定。道、学校・教職員、保護者の責務や、学校設置者、学校が実施すべき施策などを定めた。
調査は、いじめの問題の未然防止、早期発見・早期対応の取組の一層の充実を図るため、毎年度三回にわたって実施。各学校が認知したいじめのうち「被害児童生徒に対する心理的、物理的行為が止んでいるが、その状態が相当の期間(三ヵ月程度)継続していないもの」「被害児童生徒に対する心理的、物理的行為が止んでいない、または被害児童生徒に対する行為が止んでおり、その状態が相当の期間(三ヵ月間程度)継続しているが、心身の苦痛を感じているもの」に分類して調査した。
今回の調査では、いじめがあったかどうかを尋ねる設問を「対人関係で嫌な思いをしたことはあるか」に変更するなど、アンケートの設問を一部変更して実施した。
調査対象は札幌市を除く道内すべての公立小・中・高校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校で一千六百三十七校。対象期間は、ことし四~六月。
調査結果をみると、認知したいじめの件数は、前年度同期と比べて四千三件増の六千三百四十九件と大きく増加。学校種別では、特に小学校が三千三百二十四件増の四千九百十六件と大幅に増え、中学校が四百六十一件増の九百九十三件、高校が百八十三件増の三百八十七件、特別支援学校が三十五件増の五十三件となった。
このうち、解消したものは十八件。「被害児童生徒に対する心理的、物理的行為が止んでいない、または被害児童生徒に対する行為が止んでおり、その状態が相当の期間(三ヵ月間程度)継続しているが、心身の苦痛を感じているもの」が五十七件(小学校二十件、中学校二十四件、高校十件、特別支援学校三件)だった。
道教委は、いじめの認知件数が大幅に増加した理由として、いじめ調査アンケートの設問を一部変更したことを挙げ「児童生徒も、自分の思いを素直に訴えることができたのではないか」と分析している。
(道・道教委 2018-09-19付)
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