【解説】新規学卒就職者の離職状況

（解説 2018-11-01付）

　厚生労働省は、新規学卒就職者の離職状況（二十七年三月卒業者の状況）を公表した。新規高卒就職者の約四割、新規大卒就職者の約三割が就職後三年以内に離職していることが判明。中卒就職者では約六割となっている。事業所の規模が小さいほど、離職率は高い傾向となっている。

　事業所からハローワークに対し、雇用保険の加入届が提出された新規被保険者資格取得者の生年月日、資格取得加入日などから、学歴ごとに新規学卒者と推定される就職者数を算出。離職日から離職者数・離職者率を算出して集計した。

　新規学卒就職者で離職後三年以内に離職している割合は、大卒が前年比〇・四ポイント減の三一・八％、短大等卒が〇・二ポイント増の四一・五％、高卒が一・五ポイント減の三九・三％、中卒が三・六ポイント減の六四・一％となった。

　事業所の規模別では、一千人以上の事業所では大卒が二四・二％、高卒が二五・三％と最も低く、規模が小さくなるにつれて離職率は増加している。五人未満の事業所では、大卒が五七・〇％、高卒が六四・三％だった。

　離職率の高い産業をみると、大卒では「宿泊業・飲食サービス業」が四九・七％と最多で、「教育・学習支援業」「生活関連・サービス業・娯楽業」「医療、福祉」などと続く。高卒でも「宿泊業・飲食サービス業」が六三・二％と最も多く、「生活関連サービス業・娯楽業」「教育・学習支援業」「小売業」などとなった。

　一方、離職率が平均より低い産業は、大卒、高卒ともに「電気・ガス・熱供給・水道業」「鉱業、採石業、砂利採取業」「金融・保険業」「複合サービス事業」「運輸業・郵便業」など。

　「情報通信業」「建設業」における離職率は、大卒では平均より低く、高卒では高い傾向にある。

(解説 2018-11-01付)