日本財団等の海洋教育研究着手―道教委 古平町など3地域で 地域産業や自然保護等学ぶ(道・道教委 2019-05-30付)
道教委は、本年度から日本財団など3者が主催する海洋教育パイオニアスクールプログラムの実践研究に着手する。古平町、厚岸町・浜中町、羅臼町の3地域をモデル地域として選定。各地域の実践校・園において、地域特性を生かした海洋教育の実践研究を実施し、海にかかわる地域産業や自然保護等について学ぶ取組を展開する。
海洋教育パイオニアスクールプログラムは、日本財団、東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター、笹川平和財団海洋政策研究所の3者が主催する事業。海洋教育を実践する学校、教育委員会等に対する支援を通して、海洋教育カリキュラムの開発と海洋教育の担い手を育成し、学校での海洋教育の面的な広がりと質的な向上を図っている。
事業にかかわって平成30年度は、独創的・挑戦的なカリキュラムの開発に取り組む学校を対象とした「単元開発部門」に、道内から羅臼幼稚園、札幌市立東白石小学校、道教育大学附属函館中学校、広尾高校が採択され、それぞれの学校が実践研究を進めてきた。
本年度からは、新たに年間を通じて海洋教育に取り組む教育委員会または自治体を対象とした「地域展開部門」を設け、教育委員会・自治体の主導で年間を通じて行う海洋教育のパイロットモデルとなる取組を募集。地球規模の海洋問題の探究や地域課題の解決を見据えた学習、地域の特色を生かした学習など幅広い内容を対象としている。
日本海、太平洋、オホーツク海の三つの海に囲まれている本道においては、各海域ごとに古平町、厚岸町・浜中町、羅臼町の3地域をモデル地域に選定。地域にある幼小中高校などが地域特性を生かした海洋教育の実践研究を進め、各地域ともに隣接する海にかかわる地域産業や自然保護等について学ぶ取組を中心に、地域の協力を得ながら実践研究を推進する。
また、各モデル地域ごとに海洋教育の実践研究を進める実践校を選定。古平町では、古平町立古平小学校、古平中学校、小樽水産高校の3校、厚岸町・浜中町では、浜中町立散布小中学校、厚岸翔洋高校の2校、羅臼町では、羅臼町立羅臼幼稚園、春松幼稚園、羅臼小学校、春松小学校、知床未来中学校、羅臼高校の2園4校がそれぞれ実践を進める。
各実践校・園は、海洋教育の授業研究会や他地域の教員を対象とした教員研修会、地域の保護者を対象とした報告会などを開催。各地域の取組成果を普及し、地域ぐるみで学校の海洋教育の振興が図られるよう取り組む。
道教委は、道海洋教育推進協議会を設置。外部有識者による運営指導委員会を協議会内に設け、各実践校・園へ指導助言する。また、全道成果発表会を開催し、インターネットで成果を配信するほか、副読本の作成・配布および教員研修会への講師派遣などを支援する。
実践期間は3年間。実践校・園は「本道の地域特性を生かした海洋教育の推進」の共通テーマのもと、海洋教育に関する学習プログラムを開発するほか、地域学習や体験学習、産業教育などを展開する。
各実践校・園の研究テーマはつぎのとおり
▼古平町
▽古平小=海のまち ふるびら~栽培漁業や資源管理の魅力を発信
▽古平中=地域産業と海の関わりを知る~地域の現状とこれからの海洋について
▽小樽水産高=樽水生が考える資源増殖技術とその成果の地域還元について~ホタテ増産に向けた養殖の効率化と還元方法の検討
▼厚岸町・浜中町
▽散布小中(小学校)=散布学~“散布”を誇れる子どもの育成を目指して
▽厚岸翔洋高=地域の産業や環境特性を通して、海の仕事の魅力を知る~厚岸湾の魅力と可能性
▼羅臼町
▽羅臼幼=昆布の魅力やそれを取り巻く環境を知ろう
▽春松幼=海に親しみ、人と関わろう
▽羅臼小=昆布図鑑をつくろう
▽春松小=海に親しみ、海と人との関わりを学ぼう
▽知床未来中=羅臼町PRパンフレットを作成しよう
▽羅臼高=地域連携による持続可能なふるさと知床羅臼の海洋教育における人材育成
(道・道教委 2019-05-30付)
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