「力合わせ」の取組推進 川村執行委員長あいさつ(関係団体 2019-09-12付)
組合員の拡大などを訴えた
道教組の第32回中央委員会では、川村安浩執行委員長があいさつに立ち、「力合わせ」をキーワードに、組合員の拡大や道高教組との協力共同、教職員の働き方改革の推進を呼びかけた。あいさつ概要はつぎのとおり。
この中央委員会は、3月の定期大会以降半年間の道教組運動を振り返り、次回定期大会までの取組を提起し、確定していくことが大きな役割である。課題は様々。そして、一つ一つの課題は、その重要性も困難さも増してきているように感じている。
この間の取組を、「力合わせ」をキーワードに振り返ってみたい。
▼組合員の拡大
第1に、まだ私たちの組合に迎え入れることができていない教職員との力合わせ。組合員拡大の課題である。
3月の定期大会で集中討論を行い、第1回の単組代表者会議においても、多くの時間を割いて論議した。論議を踏まえ、組合づくりのためのリーフレット『WITH YOU』を作成し、組織拡大を真正面に据えた論議を呼びかけた。
この取組の特徴は、自分たちの足元をしっかりとみつめることから始めようということだった。「組合って何?」「そこに集うことってどういうこと?」「道教組の魅力って?」など、私たちの組合、道教組・全教をみつめ、その良さを語り合うことを出発点にした。そして、自信をもって道教組の仲間に加わってもらうよう語りかける。そんな運動を展開してきた。
「道教組っていいよね、全教っていいよね」とうなずき合う、道教組の組合員としての自負や誇りを確かめ合う、そんな語り合いを広げること。そして、こんなにも魅力的な組合だからこそ、あなたを仲間に迎え入れたいんだと訴える。「私たちが増やすのは、数ではなく仲間だ」を合言葉に、この運動はまだまだ続く。「力合わせ」ができる仲間を増やそう。
▼道高教組との協力共同
第2に、同じ全教の仲間である道高教組との力合わせ。
いまさら述べるまでもなく、道高教組とは、教育全国署名を中心としたゆきとどいた教育の取組、合同教育研究全道集会の取組、道教委との交渉など、多くの取組を共同して行っている。そして、ここ数年、「高教組との協力共同の取組の一層の前進」を掲げ、運動を進めてきた。その中心は、各地域における単組、支部の協力共同を広げることだった。両教組の単組支部代表者合同会議を節目に、各地で多種多様な取組が広がってきている。
その上に立って、両教組の本部書記局レベル、そして、北海道というくくりでの協力共同の一層の前進をどのように図っていくかという課題に向かっている。より緊密な連携を図ることを目指し、これからの北海道の教職員組合運動を強化していくという観点から議論を進めてきた。そこからは、様々な困難点も浮かんできた。また、協力共同が深まっている地域に力強く励まされてもいる。
両教組の独自性を生かしつつ共同を深める体制をどうつくり上げていくか、さらなる論議が必要な課題である。その際の視点の一つとして「数の問題だけではなく、どう展望を開いていけるかこそが重要」という、私たちが道教組を結成したときの熱い思いや覚悟が重要ではないかと私は思っている。
とりもなおさず、道高教組は、私たちにとって最も身近な力合わせの仲間である。様々な形での協力共同を一層前進させよう。
▼教職員の働き方改革
教職員の働き方改革が国民的な大きな関心事になっている。名古屋大学の内田良教授は「保護者、地域が“先生方を何とかしてあげなければ”と思っている今、その先生方が動かないと見捨てられかねない」と、強烈にハッパをかけてくれている。
全教は「せんせい ふやそうキャンペーン」に取り組み、道労連は「学校総がかり」運動を提起してあと押ししてくれている。
この課題は、学校の先生から保護者や地域、多くの労働組合や民主団体、さらには行政も含めた壮大な力合わせを展望し、取り組むことが重要になっている。その広がりをつくるには、教職員の長時間過密労働の問題を、労働条件の問題にとどまらず、教育の問題に直結する国民的課題に押し上げることがカギとなる。
政府・文部科学省が言う働き方改革は、金をかけず、教員の勤務時間という数字だけを減らせればよいというもの。であるから、その方策というものは「教師が教育の中で果たしてきている役割」を矮小化する方向にしか向いていない。
「テストの丸付けは担任がする必要はない」「提出された家庭学習にコメントを付けるなどは余計なこと」など、ジタハラとも言われる管理職の言動。「先生は、言われたこと、決められたことだけをやっていれば、勤務時間など増えはしない」とでもいうような事例が目につくようになっている。
これまでの「物言わぬ教師づくり」という攻撃を、「働き方改革」を口実に一層進めようとしているのではないだろうか。
先生というのは、子どもを前にしたとき、その子の豊かな発達を願って様々に創造的な取組を行う。その総体が学校であり、だからこそ子どもの成長に計り知れないほど大きな影響を与えるものとなっている。このような先生、学校が担ってきた役割を、働き方改革の名のもとに切り捨てるのは、教育の変質、破壊以外の何ものでもない。
今問題になっているのは、教職員一人ひとりの勤務が過重になっていること。その解決には、本務を担う教員を増やすことにあることは明白である。増えた教員で分かち合い、力合わせをすることで、学校が担ってきた役割を果たしていける。
学校が担っている役割はどうなのかという論議は多々ある。しかし、その論議は、働き方改革とは違う次元で行うべきものではないだろうか。教員の過重労働の問題を学校の役割の削減につなげてしまうと、そこに生まれるのは、学校に期待を寄せてくれている保護者・地域・国民とその期待に応えようとしている多くの教職員との分断でしかない。教職員の働き方の実態、多忙さだけではなく、その裏にある先生方の思いも含めて知ってもらい、保護者・地域の期待と結び付けることで、教育をめぐる力合わせが生まれるのではないか。その力合わせが本物の働き方改革の推進力になるのではないだろうか。
(関係団体 2019-09-12付)
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