札幌市議会文教委員会(令和3年1月26日)ダイジェスト(札幌市 2021-01-29付)
◆保護所増設等進め子の安全を確保 児相の一時保護体制
26日の札幌市議会文教委員会では、児童相談所における今後の一時保護体制について質疑が行われた。
山本健晴児童相談所担当局長は、子どもの安全を確保するため、「一時保護が必要な子どもをすぐに保護できるような受け皿を確保する必要がある」と強調。
今後は、一時保護所の増設や一時保護施設設置の推進などを進め、子どもの安全を確保していくとした。
藤田稔人委員(自民党)の質問に対する答弁。
◆子ども支援拠点備え専門性向上を 各区の相談支援
26日の札幌市議会文教委員会では、各区における相談支援体制の強化について質疑がなされた。
家庭児童相談室は各区に設置されており、児童相談所に比べて地域ごとに関係機関と緊密に行動しながら支援を展開できる。
山本健晴児童相談所担当局長は、家庭児童相談室の特性を充実させていく必要性を強調。一方で、家庭児童相談室での支援の専門性を一層向上させていくことも重要とした。
今後、国が市町村に設置を促している子ども家庭総合支援拠点を各区に備えることによって、市や区の機能を生かしつつ、専門性の高い支援体制を確保していくとした。
藤田稔人委員(自民党)の質問に対する答弁。
◆個室化など進め生活環境に配慮 7年度開設の第2児童相談所
26日の札幌市議会文教委員会では、第2児童相談所の整備について質疑が行われた。
市の第3次児童相談体制強化プランでは、第2児童相談所の管轄区域として白石、厚別、豊平、清田の4区を想定している。増加の見込まれる相談者に対応できる面接室や心理検査室、医務室などを確保することとしている。
山本健晴児童相談所担当局長は、一時保護所について、学齢児は個室化を図ることや専用の体育スペースを設けるなど、子どもたちの生活環境に配慮した整備とすることを説明。
相談しやすい環境を構築することを設計に反映し、令和7年度の開設を予定していくとした。
藤田稔人委員(自民党)の質問に対する答弁。
◆意見表明の機会を枠組み設定検討へ 児相の透明性確保
26日の札幌市議会文教委員会では、子どもの権利擁護と児童相談所における透明性の確保について質疑が行われた。
現在、児童相談所には、総合受付窓口と一時保護所の中に子どもや来所者に向けた意見箱を設置している。
また、弁護士の協力を得て、一時保護所や施設などでの生活で感じたことを聞き取りによって今後の運営の参考としている。
児童相談所における子どもの意見を聞く場の設定として、山本健晴児童相談所担当局長は、児童福祉に関する審議会を活用し、子どもが意見表明できる機会を確保することを説明。意見の調査・審議を行うことのできる枠組みを設定できるよう、検討を進める意向を表明した。
また、子どもの意見表明を支援する職員の先進事例などを参考に、支援の在り方について検討していくとした。
水上美華委員(民主市民連合)の質問に対する答弁。
◆個別検討会議 開催633回に 要対協活用の取組 昨年12月7日現在
26日の札幌市議会文教委員会では、要保護児童対策地域協議会(=要対協)の機能を活用した関係機関との連携強化に向けた取組の成果について質疑が行われた。
市はこれまで、関係機関の情報共有や支援策機能の土台となる在宅支援アセスメントシートを開発。関係機関の連携や児童虐待のリスク判断などに生かしてきた。
山本健晴児童相談所担当局長は、取組の成果について、本年度の個別検討会議の開催回数を提示。
昨年12月7日現在で633事例だったことを明かし、前年度1年間の786事例より減少したことを公表した。
くまがい誠一委員(公明党)の質問に対する答弁。
◆心理的視点で助言 支援員配置を検討 里親への養育支援
26日の札幌市議会文教委員会では、被虐待経験や障がいのある児童を受け入れる里親への支援機関の強化について質疑が行われた。
市は、第3次児童相談体制強化プランの素案において、里親、里子への支援を強化するため、令和3年度から里親のリクルートや養育支援などを行う民間のフォスタリング機関を複数設置することを掲げている。
里親フォスタリング機関では、現在、里親当事者によるサロン活動や育児技術向上を目的とした研修を実施。
山本健晴児童相談所担当局長は、被虐待経験のある児童の増加を背景に、児童を受け入れる里親に対し、心理的な視点から助言や相談に応じていく必要があると強調。来年度から市が業務委託するフォスタリング機関に、心理訪問支援員の配置を検討していることを明かした。
子どもたちの状況や関係機関の実態を把握し、里親が安心して教育に専念できるよう、積極的な訪問支援を行っていくとした。
くまがい誠一委員(公明党)の質問に対する答弁。
(札幌市 2021-01-29付)
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