道国語教育連盟 上川・旭川大会 “言葉の力”を焦点化(関係団体 2021-10-15付)
小学校の「読むこと(説明文)」分科会での運営の様子
【旭川発】道国語教育連盟(大田利幸委員長)は8日、第76回道国語教育研究大会上川・旭川大会をオンライン開催した。全道各地や道外の教職員、大学生など約220人が参加。研究主題「言語活動を通して自らの考えを築き、つながる言葉の力を高める授業の創造」のもと、小・中学校それぞれ5つの分科会に分かれ、事前配信された研究授業や提言について協議した。
旭川市教育研究会国語部会・書写部会との共催。新型コロナウイルス感染症の影響で前年度は中止としたが、本年度はウェブ会議システムZoomによるオンライン開催がかなった。
連盟では、研究主題を支える2つの柱「自らの考えを築く言語活動」「つながる言葉の力を高める指導の手立て」を研究の視点に設定。学習プロセスの明確化や、言葉の力の焦点化などに取り組んでいる。
事前に小学校で7本、中学校で5本の授業動画を限定公開し、参加者は大会当日までに動画を視聴。当日は全体会を行わず、午前に小学校、午後に中学校の分科会をそれぞれ半日日程で実施した。
小・中学校ともに「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと(物語・文学)」「読むこと(説明文)」「言語文化」の5つの分科会に分かれ、研究授業、提言について協議した。
うち、小学校の「読むこと(説明文)」分科会では、旭川市立旭川第三小学校の細貝充弘教諭による授業、同じく髙橋孝明教諭と中村大地教諭、比布町立中央小学校の吉澤康伸教諭による提言発表をもとに、それぞれ研究協議を展開。言語活動を通して知的好奇心を喚起し、論理的に読む力を育てる学習活動などについて意見を交わし、全道各地の実情を交流する貴重な機会となった。
細貝教諭が公開した授業は、授業支援クラウド「ロイロノート」を活用した4年1組の単元「和!いいな!伝統工芸」。教材「世界にほこる和紙」で筆者の説明の仕方をとらえたり要約したりした上で、伝統工芸について本などで調べたことをリーフレットにまとめる複合単元となっている。
協議では、細貝教諭による授業説明を踏まえ、参加者間で意見交流。「興味・関心をもたせる上で、導入で伝統芸能の実物を見せたことは効果的だった」などの声が上がった。
要約にかかわる話題では、「根拠を示しながら要約の必要性を伝えることは大切」「スモールステップによって積極的に取り組めていた」との感想が。「檜山では違う教科書を使用しているが、他管内では要約を扱う際、前の学年とのつながりをどのように意識して指導しているのか」との質問も挙がった。
また、複合単元における読むことから書くことへのつながりについての悩みを共有。調べ学習で使用する資料・文献を選ぶ難しさから、同じ教材を扱う地域間で「資料を共有できれば」との声も上がった。
提言発表では、旭川第三小の髙橋教諭と中村教諭が、3年生の教材「すがたをかえる大豆」を中心に単元構築した授業実践を紹介。タブレット端末の効果的な活用によって「読むこと」の内容を深く学ぶとともに、「書くこと」の活動でより良い表現に向けて粘り強く取り組む態度が見られたことなどを伝えた。
中央小の吉澤教諭は、「言語活動を通して知的好奇心を重視し、論理的に読む力を育てる授業の創造」をテーマに提言。内容を丁寧に読み取る言語活動としてペープサートを設定し、2年生の教材「すみれとあり」で実践した授業の成果と課題を紹介した。
それぞれの協議を踏まえ、旭川市立知新小学校の千葉昌之校長が助言した。
(関係団体 2021-10-15付)
その他の記事( 関係団体)
渡島P連 第64回福島大会 親が信じること重要 心身健康な子 育成に向けた取組は
【函館発】渡島PTA連合会(佐藤敦宏会長)は24日、第64回研究大会福島大会をオンライン開催した。管内のPTA関係者や教職員約400人が参加。(株)manabitの藤澤義博代表取締役が「誰...(2021-10-27) 全て読む
道労働局 8月末新規高卒者求人求職状況 求人倍率2・12倍に 20地域中、18地域で上昇
道労働局は、令和4年3月新規高校卒業者の求人・求職状況(8月末現在)をまとめた。求職者数は前年同月と比べ8・5%減の6590人、求人数は4・4%増の1万4002人。道内求人倍率は0・26ポ...(2021-10-26) 全て読む
味わい、語り合う場を 学校給食全国大会シンポジウム
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の清久利和食育調査官がコーディネーターを務め、全国学校栄養士協議会の長島美保子会長、札幌市立円山小学校の森田智也校長、西興部村立西興部小学校の小西千...(2021-10-25) 全て読む
第72回全国高校定通制教育振興会大会 連携し教育の質保証を 270人参加 講演や大会宣言等
第72回全国高校定時制通信制教育振興会大会・研究協議会北海道苫小牧大会が21日、苫小牧工業高校を配信会場にオンラインで開催された。大会テーマ「イランカラプテ~北海道とまこまい発“定通教育の...(2021-10-25) 全て読む
オホーツク管内校長会 経営研等開く 自校等の立ち位置確認を 片桐会長 足並みそろえ対応
【網走発】オホーツク管内校長会(片桐聡会長)は14日、北見市民会館でオホーツク地区教育経営研究会兼第2回市町村校長会長連絡協議会を開いた。管内校長会事務局担当者や18市町村の校長会長など約...(2021-10-20) 全て読む
道小・道中・石狩小中校長会が経営研 働き方改革へ情報共有 中学校35人学級早期実現を
道小学校長会(吉田信興会長)、道中学校長会(三浦利章会長)、石狩管内小中学校長会(鹿野秀一会長)は5日、石狩地区教育経営研究会をオンライン開催した。全国・全道の教育情勢を確認し、質疑応答。...(2021-10-14) 全て読む
指導・評価 一体化へ研鑚 道技術・家庭科教育研究札幌大会
全日本中学校技術・家庭科研究会(=全日中技・家研、平松功治会長)、北海道技術・家庭科教育研究会(=道技家研、丹羽俊会長)の共催。 冒頭、道技家研の丹羽会長に代わり、目黒克彦副会長があい...(2021-10-14) 全て読む
シーニックバイウェイ題材に授業 地域の魅力見つけたよ 網走東小 景観など発表
【網走発】網走市立東小学校(大西篤校長)で8日、シーニックバイウェイを題材にした授業が行われた。開発局網走開発建設部(網走開建)、道開発技術センターが進める「オホーツクみち学習」の一環。5...(2021-10-13) 全て読む
第73回全国造形教育研究大会北海道大会第70回全道造形教育研究大会札幌大会分科会概要③小学校 “いい”を育む手立て追究 栄西小 箱のぞき光を鑑賞
【研究概要】 ▼研究テーマ=「もっと=」が生まれる、「いい=」を育む「差しこんだ光から」(立体に表す) 穴を開けた箱に差し込む光の様子から、光と材料、光と形や色の組み合わせから表した...(2021-10-13) 全て読む
問い重ね気づき明確化 附属函館小1年生活科
第30回道生活科・総合的な学習教育研究大会函館大会では、大会参加申込者に限定し、道教育大学附属函館小学校の嶋田陽介教諭と石崎寿和教諭による1年生活科と函館市立弥生小学校の鈴木奈緒美教諭によ...(2021-10-12) 全て読む