味わい、語り合う場を 学校給食全国大会シンポジウム(関係団体 2021-10-25付)
各シンポジストが活発に意見・提案
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の清久利和食育調査官がコーディネーターを務め、全国学校栄養士協議会の長島美保子会長、札幌市立円山小学校の森田智也校長、西興部村立西興部小学校の小西千鶴栄養教諭、道PTA連合会の街道美恵副会長、道教委の中澤美明学校教育局指導担当局長がシンポジストとして参加した。
はじめに、キーノートスピーチとして、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の齊藤るみ学校給食調査官がテーマに基づき発表。学校給食を生きた教材として活用するためには、魅力あるおいしい給食を提供する必要があるとし、献立作成に携わる栄養教諭とともに施設整備や地場産物の活用の体制整備を担う設置者の役割に期待した。また、日常生活の食事のモデルの教材となる学校給食を、家庭や国民へと発信する必要性を示した。
続いて、「学校給食の役割」「学校給食に期待したいこと」を論点として各シンポジストが意見。
長島会長は、成長期における子どもたちへの適切な栄養の提供、望ましい食習慣の定着や郷土愛の育成、子どもたちのセーフティネットとしての役割を期待した。
また、給食がバランスのよい食事モデルとなることから、自らの健康に配慮した子どもを育てる必要があるとし、「毎日の学校給食の積み重ねが、未来の親の教育にもつながる」と説いた。
森田校長は、学校給食を教材とした食やフードロスへの興味・関心を育む授業実践を紹介。近年、食育の推進や栄養教諭の専門性を生かした校内体制を確立している学校が増えていることを報告した。また、保護者、学校、行政など様々な関係者がともに給食を味わい、給食の在り方を語り合う機会を設定することを提案した。
小西栄養教諭は、給食のねらいや目的を家庭に伝える必要性を指摘。特に食育に関心の低い家庭への働きかけが課題であるとし、栄養教諭・学校から直接情報を発信する仕組みを構築する必要性を示した。
街道副会長は、給食だよりのオンライン化を提案。写真やレシピを掲載することで家庭での料理に活用できるほか、アレルギーの品目チェックの簡易化などの利点を挙げた。
中澤学校教育局指導担当局長は、栄養バランスやコスト、食生活を含めて自己管理できる子どもを育てる重要性を強調。地場産物のホタテを活用した猿払村における授業実践を取り上げ、「北海道には各地域で多くの特色があり、食育の実践がある。子どもたちの自立と共生を育み、食、健康教育、社会全体へと関心を広げたい」と述べた。
さらに、学校給食の発信に関しては、全国でも最多を誇る本道の栄養教諭に「全国に先駆けて取り組んでほしい」と期待。児童生徒の視線で給食をとらえ、1人1台端末を活用して情報を整理・分析、家庭へと発信する学習を提案した。
(関係団体 2021-10-25付)
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