道教委と道P連が教育懇談会 僻地の部活指導者確保を 教科書のデジタル化も多数(道・道教委 2022-10-19付)
4項目に絞り、より深く率直な意見を交わした
道教委と道PTA連合会(菊川哲平会長)は15日、TKPガーデンシティ札幌駅前で教育懇談会を開いた。今回は①ICT教育②部活動③働き方改革④食育―の4項目にテーマを絞り、より深く意見を交わした。ICTについては、ランドセルを軽くするため教科書のデジタル化を求める声が多数出された。部活動については、へき地の指導者不足などに対する不安の声が上がった。
道教委からは山田智章社会教育課長補佐、荒瀬匡宗ICT教育推進課長補佐、中嶋英樹教職員課働き方改革担当課長、糸畑啓健康・体育課長補佐の4人が出席。道P連からは役員、理事ら32人(オンラインを含む)が参加した。
今回は、7月の懇談会で特に関心が高かった①ICT教育②部活動③働き方改革④食育―の4項目について質疑応答を行った。
ICTについては「アプリを利用するより図書室で調べ学習をした方が良いのでは」「保護者にICTの授業を見せ、家庭でもICTを使えるようにしてほしい」「教員に指導力の差があるなら是正してほしい」などの声があり、荒瀬課長補佐は「ICTがあるから図書館の調べ学習がなくなるわけではない。それぞれの良さを生かしていく」「ICTの授業を見たいと学校に伝えてほしい。道教委としても見てもらいたいと思っている。道教委のICTポータルサイトにも動画を掲載している」「学校には、ICTを使わざるを得ない環境にしてとお願いしている。動画や資料もたくさんホームページに上げている」などと答えた。
また、教科書のデジタル化について「タブレットも加わってランドセルが重過ぎる。教科書をデジタル化できないか」といった声が相次ぎ、荒瀬課長補佐は「紙とデジタルでは著作権が異なる。授業で一部分をコピーするのは認められているが教科書丸ごとはできない。現在は国が紙の教科書の料金を払っており、さらにデジタル分も払うのは難しいと思う」と回答。また「ランドセルには、必要な分だけを持ち歩くのが望ましい」との考えを示した。
部活動については地域移行に関し「へき地が多い北海道には配慮が必要」「人がいない。受け皿がない。子どものけがや事故などのサポートは」などの不安や疑問が寄せられ、中嶋課長は「地域の実情に合わせた移行が大切。近く全国の研究がまとまるので参考にしていきたい」「事故等については国が保険を考えており、年間800円で進んでいる」と回答。
また「3年間で移行を進めるとのことだが、各市町村任せなのか」との質問に「現在道の推進計画を策定しており、7年度までに全ての市町村で移行が行えるよう、具体的に計画を示そうと考えている。先行する自治体は独自に取組を進めてほしい」と答えた。
また「吹奏楽などは小さい町では指導者もいないがどうするのか」との質問には「文化系も全て地域移行の対象となるが、吹奏楽については先生方に頼る場面も考えなければいけないかと思う」「子どものニーズを把握しながら、周辺町村と合同での指導も働きかけていきたい」などと述べた。
働き方改革については、給特法の改正を求める意見のほか「働き方改革を理由にPTAの研修会出席に難色を示された。私たちも子どものためにボランティアでやっている。学校も理解してほしい」などの声が出された。
食育については「栄養教諭の力量が異なり自治体間で給食の評価が違う」との声に対し、糸畑課長補佐は「研修や研究会などで今後も指導していく」と答えた。
(道・道教委 2022-10-19付)
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