【解説】次期教育振興基本計画へ指標案(解説 2022-11-25付)
中教審の教育振興基本計画部会は22日の第10回会議で、教育に関するわが国の最上位計画である第4期教育振興基本計画の指標案について審議した。計画の中核となる概念「日本型ウェルビーイング(well―being)」と5つの基本方針の関連性を整理したイメージ図も示し、学校現場への周知での活用に期待した。
次期計画の期間は5~9年度の5年間。2040年以降の社会を見据えたわが国の教育施策の全体像を示している。
ウェルビーイングとは、経済的豊かさのみならず心身の健康や生活への評価など、個人と個人を取り巻く場を踏まえたより包括的に幸福を捉える概念。国や地域の文化的・社会的背景で捉え方が異なり、計画では「人とのつながりや思いやり」「利他性」「社会貢献意識」などを重視するわが国の協調的な幸福感との整合を図り、日本発の調和と協調あるウェルビーイングの発信・実現を目指すとしている。
イメージ図について、委員は「概念が整理されて分かりやすくなった」「答申段階で概要を説明する際や学校現場に向けて情報を発信する際に活用してほしい」と意見。学校現場でもなじみのない概念であることからより具体的・明快な表記を求めた。
ウェルビーイングの向上に向けた指標例の案では、幸福感や友人関係の満足度、「いじめはどんな理由があってもいけない」と考える児童生徒の割合の増加などを新たに盛り込むよう提案。委員は選挙権の行使など社会参画意識を図る指標や義務教育段階における理数教育の充実といったイノベーションを担う人材育成の新指標を提案した。
次回会議は12月12月に開催。総論から各論、指標を含む全体について議論し、年度内に答申する。
(解説 2022-11-25付)
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