道国語教育連盟　冬の学習会　主体性を生む言語活動　札幌西小・北村教諭ら実践発表

（関係団体 2023-01-30付）

　道国語教育連盟（横道幸紀会長）は２１日、ホテルライフォート札幌で冬の学習会を開催した。会場、オンライン合わせて約８０人が参加。「主体性を生む言語活動」「“問い”のある授業」をテーマに５人の教諭が実践発表した＝写真＝。うち札幌市立西小学校の北村公則教諭は話すこと・聞くことについての実践を紹介。「友達の相談に乗って考えを出し合う」という言語活動を設定し、動画などを活用することで「上手に相談したい」「悩みを解決したい」という意欲を引き出す手だてなどを伝えた。

　横道会長は開会あいさつで、学習会が「今後の国語科授業の充実につながるものになれば」と期待した。

　実践発表では、北村教諭、札幌市立西岡小学校の安原佳奈教諭、札幌市立中央小学校の日田洋吏教諭、札幌市立北光小学校の津島沙希教諭、札幌市立新川中学校の窪田貴文教諭が、「主体性を生む言語活動」「“問い”のある授業」を視点に取り組んだ実践を披露した。

　北村教諭は、話すこと・聞くことに関する実践として「そうだんにのってください」（２年生、全８時間）の単元を進めた。

　主体性のある言語活動にするため、児童が日ごろの生活や学習などで感じている悩みから課題を引き出し、自分事として捉えられるよう導入を工夫した。

　グループでの話し合い活動では、その様子を撮影し振り返りに活用することで、話すとき、聞くときのポイントを客観的に整理できるようにした。さらに、上級生の話し合い活動の様子を収めた動画を視聴させ「自分も上級生のように話し合いたい」という意欲を生み出した。

　「問い」のある授業にするための手だてとして、毎時間の振り返りを通して学級全体で困り感を共有することで「上手に相談したい」「悩みを解決したい」といった思いを引き出し、問いにつなげていることを伝えた。

　実践を通して「学習後、子どもたちなりに解決に向かったと満足した様子が見られた」などの成果を挙げた。

　一方「“上手に相談に乗る”という学習課題から“話をつなげる”という学習のねらいに迫る手だてが足りなかった」「既習事項と新しく身に付けさせたいことが明確になっていなかったため、子どもたちの意識が方法面に向かなかった」などの課題も示した。改善に向けて「身に付けさせたい力の具体を示し、焦点化を図りたい」などと話した。

(関係団体 2023-01-30付)