マイスターハイスクール運営委 地域漁業教材に体制構築 厚岸翔洋高 事業自走化へ(道・道教委 2023-11-09付)
【釧路発】道教委は1日、第2回マイスター・ハイスクール運営委員会をオンラインで開催した。事業2年目を迎える厚岸翔洋高校の山本十三校長が事業経過やこれまでの活動を踏まえた成果と課題などを説明。事業の持続化や自走化に向けて、地域漁業を教材として学ぶ学習体制の構築など今後の方向性を示した。
運営委員会は、マイスター・ハイスクール事業における全ての意思決定・統括機関として、事業2年目における取組状況や今後の取組などについて専門的見地から指導助言を行うもの。
この日、運営委員から厚岸漁業協同組合代表理事組合長の蔵谷繁喜副委員長や運営委員を務める道教委の倉本博史教育長ら6人が出席。このほか、取組の統括役を担う事業推進委員会CEOの公立はこだて未来大学の和田雅昭教授らが出席した。
開会に当たり、運営委員長の若狭靖厚岸町長に代わり蔵谷副委員長があいさつ。これまでの主な成果と課題、今後の取組内容に関する報告を踏まえ、さらなる事業の充実・発展に向け忌憚のない意見を求めた。
引き続き、山本校長が事業経過などを説明。「水産資源」「漁家経営」「地域産業」の3つの柱の持続化に向けた各種取組について、年間計画に基づき順調に実施できていることを伝えた。
主な取組では、海象データをいつでもどこでも確認できる海洋モニタリングシステム「うみログ」を活用して海域の状況等を観測している。このほか、未利用・低利用漁の活用と高付加価値化に向けた取組として、アメマスかまぼこの商品化や、地域資源を活用するために脱脂粉乳を使ったカレーの開発などを行っている。
今後の方向性として、事業終了後を見据え自走化していくために①事業の実践の適宜情報提供と成果の提供②地域の漁業を教材として学ぶ学習体制の構築③地域の課題や地域の特性に興味・関心をさらに高める学習の構築(地域貢献への考え方の醸成)④関係機関と連携した学習体制の構築―の4点を挙げた。
①については、アンドロイドテレビなど効率的で積極的な情報発信の在り方について検討を進めていくとした。
また、②については漁家経営者等と連携していくとともに、③については授業・実習を通して地域貢献への意識を醸成するために学習体制の構築を進めていくことを示した。
このあとの協議の場では、倉本教育長が「海域状況等をデータとして捉えることは、持続可能な漁業の発展を効率的に行う上で重要。取組を波及するとともに、漁業関係者と意見を交わしながら、取組を進めてほしい」と求めた。
最後に山本校長が総括。「ことしは生徒の実践意識の変容が見られた。うみログなどの活用によって多くのデータを収集できたが、活用方法に至っては検討段階であり、関係者から意見を集めより良い形で活用していきたい」などと述べた。
(道・道教委 2023-11-09付)
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