【解説】夜間中学における遠隔授業

（解説 2023-11-21付）

　道教委は、夜間中学における遠隔授業の有効性を検証するため、ＩＣＴを活用したオンライン授業を試行実施している。ことし１０月に２回目を開き、通信環境や授業のサポート面に改善が見られた。今後、授業者から受講生の様子が分かるような映像配信の工夫や受講者からの質問など発言しやすいサポートなどに留意し試行を重ねていく。

　道教委は、３年度に設置したワーキンググループにおいて、本道の広域性を踏まえた学習機会の確保に向け、主に遠隔教育について検討してきた。

　昨年１１月、札幌市立星友館中学校と自主夜間中学校「札幌遠友塾」などの協力を得て、第１回オンライン授業を試行実施。有効性を感じた一方、様々な課題が見つかり、１回目の改善点を踏まえ、１０月２４日に２回目を実施した。

　星友館中を配信元に札幌会場のほか、新たに釧路会場を加え、札幌遠友塾と釧路自主夜間中学「くるかい」から計２７人が参加。国語科「川柳」の授業を配信し「１人１台端末を活用した授業の進め方」「受信側の板書の見え方」「受講者の理解を深める授業サポートの在り方」など第１回から見えてきた課題を踏まえて行った。

　参加者からは「授業者のテンポが良く楽しい授業だった」「授業者が受講者個々の反応を十分把握できない状況で授業を行うため、スピードが課題」などの感想が上がった。

　また、今月７日にはオンライン授業関係者による意見交換会を実施。「授業者には個々の受講者の雰囲気があまり伝わってこなかったが、サポート役の補助に助けられた」「オンライン授業は一方通行になりがちなので、サポート役が受講者と授業者をつなぐ役割を担い、対話が生まれるよう配慮する必要がある」などの意見が寄せられた。

(解説 2023-11-21付)