【解説】6年度予算編成に関する建議(解説 2023-11-27付)
財政制度等審議会は20日、6年度予算編成等に関する建議をまとめ、鈴木俊一財務大臣に手交した。
財政総論においては、わが国の経済情勢が落ち着き、一部でコロナ禍以前の水準を超えて活性化していると指摘。一方で、物価高や金利上昇が状態化する「これまでとは異なる局面に突入する可能性がある」と警戒感を示し、財政運営の持続的確保に向けて、常に財政余力を確保する必要性を強調した。その上で、7年度を期限とする国と地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化目標に触れ「今がまさに財政健全化に軸足を移すべき」と訴えた。
各論では、社会保障や地方財政、防衛、外交など11分野について提言。うち文教・科学技術分野をみると、義務教育に関しては、わが国全体で人手不足が問題となる中、教職の魅力を高めることで教員の質の確保を図りつつ、働き方改革の徹底やICTの活用等によって「数に頼らない持続的・効率的な学校運営を図るべき」とした。
教員の人材確保に当たっては、4年度教員勤務実態調査に言及し、前回調査時の平成28年度と比較して「在校等時間は減少したものの、コロナ禍による一時的な影響が大きい」と考察した。一方で、教員業務支援員等の外部人材の人数・予算を拡充してきたにもかかわらず「十分な効果が出ているとは言い難い」と指摘。働き方改革を文部科学省、教育委員会、学校がそれぞれトップダウンで実行すべきとした。質の高い教員確保に向けては「処遇の見直しが重要な課題」と強調。給与の在り方の検討に際し、まずは働き方改革等による負担軽減を徹底した上で、既存の手当の見直しと併せ、特定の主任業務を担うなど負担の大きい者が報われる「働きに応じた報酬、メリハリのある給与体系とすべき」とした。
(解説 2023-11-27付)
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