【解説】学びの多様化学校マイスター創設(解説 2023-12-01付)
盛山正仁文部科学大臣は28日の記者会見で、学びの多様化学校(旧不登校特例校)の設置促進を図る「学びの多様化学校マイスター」派遣事業の創設を報告した。自治体への相談・助言を担い、9年度までに全都道府県・政令指定都市で計300校の学びの多様化学校の設置を目指す。
小・中学校の不登校児童生徒は約30万人、学校内外の相談機関で相談や指導を受けていない児童生徒は約11万4000人、いじめ重大事態調査の発生件数は923件と4年度はいずれも過去最多を記録した。子どもたちが安心して学ぶことができる「誰一人取り残されない学びの保障」に向けて国は10月に「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」を策定。3月に策定した不登校対策COCOLOプランの施策を前倒しする方針を固めた。
今後、校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム)を全国6000校に設置して不登校の未然防止・登校復帰支援を加速化するほか、在籍校とつなぎオンラインによる指導やテストを受けるため、教育支援センターのICT環境の整備促進を図る。
また、端末のアプリで児童生徒の心身の変化を把握する「心の健康観察」を全国の小・中・高で導入する。これらの施策に必要な経費を盛り込んだ5年度補正予算は29日に成立となった。
国はこれまで、学びの多様化学校の設置準備の経費を支援していたが、今後は設置後の運営支援も開始する計画。マイスターの派遣によってノウハウのない自治体等などに相談や助言を行う。文科省が22日に開催する全国フォーラムでは、マイスターが講演や個別相談会を行う予定だ。会見で盛山大臣は「子どもたちに寄り添いつつ、教育委員会や学校と連携し、不登校・いじめへの対応を強化していく」との考えを示した。
(解説 2023-12-01付)
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