小中一貫教育カリキュラム作成研修会 教員の課題共有が重要 大阪体育大・工藤教授招き講演―道教委(道・道教委 2017-05-29付)
小中一貫教育カリキュラム作成に関して講演する工藤教授
道教委は二十五日、札幌市内の北農健保会館で二十九年度小中一貫教育支援事業カリキュラム作成全道研修会を開催した。実践地域での取組の発表、意見交換を行ったほか、大阪体育大学の工藤文三教授が「小中一貫教育のカリキュラムの作成について」と題して講演。「取組を通じて、教師が課題を共有し、問題解決策を考えることが重要。学校全体の教育力向上につながり、子どもたちにも還元される」とし、学校の力を相乗的に高めていく必要性を説いた。
本年度からスタートした「小中一貫教育支援事業」は、義務教育九年間で育成する児童生徒の姿の設定・共有、地域の良さを生かした九年間の指導計画の作成などに取り組むもの。
事業の一環として開催したカリキュラム作成全道研修会は、同事業の趣旨および内容等の共通理解を図るとともに、カリキュラム作成にかかわる理解を深め、指定地域における今後の取組を明確にすることがねらい。
指定地域の市町教育委員会担当者、指定校のカリキュラム作成の担当者ら百一人が参加した。
はじめに、義務教育課学力向上推進グループの永澤篤主幹が、小中一貫教育支援事業の趣旨および内容を説明。事業における教職員加配の活用方法と期限、道教委の支援の具体的内容、小中連携のチェックポイントを伝えた。
続いて、白糠町立白糠小学校の平澤雅也教諭、白糠町立白糠中学校の山内圭二教諭が、組織体制、合同研修、行事における児童生徒や教員の交流などの取組を紹介した。
また、中標津町立計根別学園の船山英樹教諭、米谷貴志教諭は、同校の教育課程の編成・実施にかかわる工夫や、「四―三―二」の学年段階の区切りの設定、異学年交流等に関して説明した。
午後からは、大阪体育大学教育学部教授・学部長を務める工藤教授が「小中一貫教育のカリキュラムの作成について」と題して講演。工藤教授は、小中一貫教育カリキュラム編成にかかわる諸条件や視点、学年段階の区分の着眼点等に関して説明し、「小中一貫の取組を通じ、教師が課題を共有し、問題解決策を考えることが重要。学校全体の教育力向上につながり、子どもたちにも還元される」「小中一貫教育の枠組ができても、最終的には教師一人ひとりの力量向上、授業改善につなげることが重要になる」と説いた。
また、各学校や地域における子どもの課題、必要となる力を整理し、学校としてのコンセプトを設定・共有することが小中連携の入り口になるとし、小・中学校間の客観性、信頼性、妥当性の違いなどを今後の課題として指摘。「取組を通じて、学校の力を相乗的に高めることが成功の秘訣」と述べた。
このほか、呉市、府中市、三鷹市など、小中一貫教育を実践する道外地域の取組、各地域・学校で掲げる重点項目を紹介した。
講演後、指定地域における「カリキュラム作成の実際」をテーマに協議。参加者は、活発に意見を交換した。
(道・道教委 2017-05-29付)
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