函館市が総合教育会議開く 31年度までに全校でCS 教職員の業務改善なども協議
(市町村 2017-11-16付)

第1回函館市総合教育会議
学校を核とした地域づくりなどを柱にした協議が行われた

 【函館発】函館市は八日、市役所で第一回総合教育会議を開いた。工藤壽樹市長と辻俊行教育長、委員合わせて六人が出席。協議では「教職員の業務改善」「学校を核とした地域づくり」「学力向上」の改善・向上に向け、既存事業の実施状況を確認し、今後の課題について意見を交わした。「学校を核とした地域づくり」の協議では、小・中学校で学校運営協議会の設置を来年度から本格的に進め、三十一年度までに市内すべての学校をコミュニティ・スクール(CS)とする方針が示された。

 はじめに、工藤市長があいさつ。「新たな歴史開拓のためにも教育の必要性は非常に高い。少子化が進み、一人ひとりにより高い能力を身に付けさせることが求められている」とした上で「地域や日本を支える子ども、時代の変化に対応できる子どもの育成が必要。新しいことに挑戦するのは難しいことだが、一つ一つの課題を委員の力を借りながら対応していきたい」と述べ、協力を求めた。

 続いて、木村雅彦学校教育部長が協議の柱となる三つの事項に関する既存事業と課題などを説明した。教職員の長時間労働の解決に向けた部活動地域支援者の配置状況、算数の学力向上などを目的とした学力向上非常勤講師の配置による成果などを報告した。

 引き続き、「教職員の業務改善」「学校を核とした地域づくり」「学力向上」をテーマに協議。辻教育長は小・中学校のCS指定にふれ「新学習指導要領でも社会に開かれた教育課程が示されている。教育委員会としても、まずは指定した学校と相談しながら進めていきたい」と話し、今後のCSの必要性を強調した。

 委員からは「町内会なども高齢化・小規模化が進んでいるので、参加することで双方の活性化につながれば」「学校とその地域だけではなく、コミュニティ同士の交流が深まる活動につながれば」などの意見が挙がった。一方で「現段階では保護者などの理解が進んでおらず、何をするのかという部分がはっきりしていない。市全体で理解を深める機会の拡充を」などの意見も挙がった。

 また、学力向上に関しては、これまでの全国学力・学習状況等調査の結果などをもとに意見を交わした。市全体の学力は全国・全道平均に確実に近づいているが、算数・数学においては低い傾向にあることから「高学年からの家庭学習の習慣の定着」「習熟度別学習やアフタースクールの定着」などが挙げられた。

 協議終了後、辻教育長が「協議の柱となった三つが相互にかかわり合いながら施策を進めていかなければいけない。直ちに対応が求められている問題の明確化ができたので、あらためて教育委員会として対応を進めていきたい」と閉会の言葉を述べた。

(市町村 2017-11-16付)

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