【特別連載】№11 かかわりが難しい児童生徒への対応 積極的に認め褒める バランスの取れた接し方(かかわりが難しい児童生徒への対応 2019-07-11付)
かかわりが難しい児童生徒への対応についてシリーズで掲載してきましたが、今回は教師の側に立って説明します。
かかわりの難しい児童生徒は他の子に比べうまくいかないことが目立ち、ついつい失敗することに目が向いてしまいます。駄目なところは見ようとしなくても目に入ってきます。しかしその子のよいところは、見ようと思って見なければ見ることができません。教職員の皆さんは、その子のよさに目を向けているでしょうか。
「顔を見ると小言を言いたくなる」「また何か問題を起こすような気がする」、さらには「よいところを探しても見当たらない」と話してくれた先生がいましたが、私は「先生の子どもに対する見方が、駄目なところばかりに目が行くことが習慣化されているため、よさが見えずそのような見方になってしまうのです」と話しました。
子どもにとってよさを見いだそうとしてくれない教師に指導されるのは、苦痛でありストレスをため込んでしまいます。子どもができていないところ、何度言っても改善されないところばかりにとらわれると、問題が大きく見え不適切な接し方に陥ります。本人なりの頑張りや、日常生活でのよさを積極的に認め褒めることで、教師自身のメンタルを保ちバランスの取れた子どもへの接し方ができるようになります。
◆不適切な言葉を発しないために
教師の児童生徒に対する不用意で不適切な言動が問題となっています。特にかかわりの難しい児童や生徒に対する、不適切な言葉が心を傷つけるばかりか保護者の強い怒りをかっています。例え自らの意思とは違っても、感情に任せ口をついた言葉は取り消すことができません。
その背景には支配欲、児童生徒を尊重する意識や自己抑制力に欠け、感情的になりやすく児童生徒の側に立った指導方法の改善意識が希薄であることなどがあります。
問題は、このような言動がいつの間にか習慣化してしまうことです。不適切な言葉を発することが常態化している職場では、真に児童生徒の側に立つ教育活動は推進できません。そこで不適切な言葉を発することがないようにするため、校内の研修等の機会につぎのような手立てを取られてはどうでしょうか。
図に示したように、児童生徒の励ましになるポジティブな言葉を個人で3つくらい選定します。その言葉を発する根拠を含め学年や分掌で共有します。その後、選定した言葉を毎日意識しそれぞれ1回は使うようにします。
それを繰り返しながら、何かの折に学年や分掌で教師自身の意識や児童生徒の変化など気付いたことを出し合い成果を共有化します。
「ありがとう」「よくやっているね」「先生、うれしいよ」「立派だね」などポジティブな言葉を選定し、その言葉がけを習慣化することで不適切な言葉が消失し児童生徒を笑顔にすることができます。
(北海道医療大学非常勤講師・石垣則昭)
(かかわりが難しい児童生徒への対応 2019-07-11付)
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