道高教組・道教組等が全道合研 “学び”の本質とは何か コロナ禍を機に問い直しを
(関係団体 2020-11-13付)

 道高教組(尾張聡中央執行委員長)、道教組(川村安浩執行委員長)などで構成する実行委員会は7・8日、2020合同教育研究全道集会(=全道合研)をオンライン開催した。初日の全体会では、公立中学校の元教員で高知県土佐町議会議員、教育研究者の鈴木大裕さんが「日本の教育はどこへ コロナ禍を機にこれまでの“日常”を問い直す」と題して講演。新型コロナウイルス感染症の影響による学校の一斉臨時休業などの経験を踏まえ、これまでの学びがどういうものだったのか、どうすれば学ぶ喜びを子どもたちと分かち合えるかを問い直す必要があることを訴えた。

 全道合研には、2日間で延べ約200人が参加。基本目標「平和を守り真実をつらぬく民主教育の確立をめざして」のもと、初日は全体会として講演と緊急討論、2日目は分科会を行った。

 開会に当たり、共同代表を務める道教組の川村執行委員長があいさつ。「コロナ禍の中で、何が大切かを見失ってしまいそうになるが、コロナ禍の中だからこそ、みえてきた教育の本質もある。大切にしなければならない教育の本質は、子どもの声や姿の中にある」と述べた。

 講演で鈴木さんは、現在の日本が世の中のあらゆる出来事を経済的観点のみでとらえる“モノ・カネの時代”になっていると指摘。教育についても、「金で買える商品となり、学校と教員はサービス提供者、子どもと親は消費者、教育委員会はカスタマーサービスへと変わっていく」と分析した。

 新型コロナウイルス感染症の拡大で学校の臨時休業が続いたとき、何をすればよいのか分からなくなった子どもたちの姿から、「学校や教師の存在意義は、自分たちがいなくなり、学校がなくなっても、きちんと学び続けることができる子どもたちを育てること」に気付いた一方、「学校は、子どもたちにとって大切な場所だった。保護者にとってもありがたい場所だったことを再確認できた」と振り返った。

 また、臨時休業でできなかった授業時数を取り戻すことよりも、「どうしたら子どもたちに学び方を教えられるか、学ぶ喜びを子どもたちと分かち合えるか」を考えることの必要性を指摘。

 「今、大事なことは、“正常化”を目指すのではなく、これまで考えられてきた“正常”そのものを問うこと。“遅れを取り戻す”のではなく、これまでの学びがどうだったのかを問い直すこと」と訴えた。

 講演後の緊急討論「新型コロナウイルス感染症と子どもたちへの影響について」では、①子どもたちのためのコロナ禍の学校づくり②コロナ禍で浮き上がる若者のいまとこれから~就学・就労をめぐる課題とあるべき姿を考える③コロナ禍で地域・家庭・学校で子どもたちを支える④安全・安心の学校を目指して―に分かれ、意見を交わした。

(関係団体 2020-11-13付)

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