作戦を練る楽しさ実感 附属函館小大会 2年体育等公開(学校 2021-08-03付)
児童一人ひとりがチームや仲間のためにできることを考えた
【函館発】道教育大学附属函館小学校(橋本忠和校長)は7月中旬、令和3年度教育研究大会をオンラインで実施した。第1特設公開授業では、3年生の国語、第2次分科公開授業では2年生の体育、5年生の道徳を公開。うち、体育では仲間と協力し、課題を追求させる活動を通して、児童がスポーツの多様な楽しみ方を実感できる授業を展開した。
研究主題は「子供が学びをつくる学校」。3ヵ年研究事業で、最終年次の研究テーマに「一人一人の子供が他者とともに自己調整する学び」を据えた。
本年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、オンラインで行った。開催日の1週間前から、事前に授業動画や各授業資料を配信したほか、事前アンケートを実施。大会ではアンケートに寄せられた情報をもとに、オンラインによる事後検討会を行った。
1次特設公開では、真田武知教諭による3年生の国語、2次分科公開では、福山央教諭による2年生の体育と、上田知沙都教諭による5年生の道徳の授業を公開。道内外の教職員や大学関係者など、約150人の申込みがあった。
福山教諭による2年生の体育「タグトリ王」では、低学年の児童が他人を意識した活動を行うために、少人数のかかわりを重視した運動を計画。徐々にかかわる人数を増やすことで、仲間と連携し、戦術を理解し工夫していくことを目指した。
今回は鬼遊びの経験を振り返らせるため、より発展的な「タグ取り鬼」に取り組んだ。単元導入時に個人でゲームを行った際には「タグが隠れていて取れないようになっていた」「手で押さえ付けられていた」「取られたら終わりだから楽しくない」など、児童から運動に対して否定的な意見も出されていた。
福山教諭は課題を踏まえ、6人制のチームで作戦を練るよう助言。「タグが1本も取れなかった」と話す児童のチームには、タグを取ることができている他チームの動きを見学させるなど、気付いたことをチームで実践するよう促した。
本時は「2、3人の仲間で連携しながら相手のタグを取ったり、タグを取られないようにしたりすることができる」を目標に設定。「はさみうち」「忍び足で背後からタグを狙う」など、様々な作戦を児童に選択させ、個々の役割を明確化した上でゲームを行った。
前半戦終了後には、作戦の効果の有無等についてチームで確認。児童は「相手がはさみうちしているのに、自分のチームも同じ戦術ではタグを取れない」と話し合うなど、効果的な対策を考え、後半戦につなげていた。
ゲーム終了後、「何も考えずにタグが取れるようになった」「つぎの授業でよりタグを取れるための方法はないか」とグループで相談するなど、運動を楽しみながら解決法を追求する児童の姿がみられた。
研究協議では、函館市立北美原小学校の新谷公康校長と道教育大学函館校の吉村功教授が助言した。
新谷校長は「低学年の発達段階では、チームよりもまず個を優先する傾向が強いが、“他者とともに”という意識や、“自己調整”する姿もしっかりと押さえていた」と評価。「6年間を見据え、今回学んだことを児童がどのように生かしていくかも考えていく必要がある」と感想を述べた。
吉村教授は「どの子も運動に親しみ、学びに向かうことができるような“場の設定”や“支援の仕方”について、よりよいものはないか今後も考え続けていくとよい」などと話していた。
(学校 2021-08-03付)
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