網走市教委等が学力向上フォーラム 認め合い“風土”築いて 上士幌町の小堀教育長講演(市町村 2021-12-16付)
教職員や保護者、地域住民らが参加
【網走発】網走市教委と網走市学力向上推進委員会(加藤弘一委員長)は4日、中央小学校で第9回学力向上フォーラムin網走を開いた。市内小・中学校教諭などが講師となったワークショップ、上士幌町教委の小堀雄二教育長の講演などを通して、学校・地域・保護者が一体となって、子どもたちの望ましい成長、地域の未来について考えた。
テーマは「新しい時代を生きる子どもたちのために、学校・家庭・地域がともに学び・考える」。2年ぶりの開催となった今回は、新型コロナウイルス感染症対策として参加者を例年の半数程度とした。教職員や保護者、地域住民など約150人が参加した。
岩永雅浩教育長は開会あいさつで、ワークショップなどを通して「学校の教職員がどのような思いや願いをもって日々子どもたちと向き合っているのかを知り、子どもたちの望ましい成長についてともに考えてもらえれば」と述べ、充実した一日となることを祈念した。
また、来賓を代表してオホーツク教育局の野上義秀局長が登壇。フォーラムで得られた成果を「あすからの学校運営や授業改善、家庭教育に積極的に活用し、学力向上に向けた取組にまい進して」と期待した。
続いて、ワークショップ型研修講座を実施。市内小・中学校の教職員などが講師を務め、新学習指導要領に基づく教育、家庭や地域と連携した教育の在り方について提案・紹介した。
また、中央小の中元友基教諭と第二中学校の山田道哉教諭が研修会参加報告。10月中旬に札幌市で開かれた第82回教育委員会対象セミナーの中で示された、ICT機器の整備・活用、校務の情報化の推進の重要性などについて説明した。
講演に移り、小堀教育長が「2030年の社会と教育の潮流」と題して学校と地域が協働した取組などについて話した。人口減少やAIの台頭など、将来の予測困難な時代を迎えている今、課題を「目標マイナス現状」ととらえ、「常に見直していかなければならない」と強調した。
小堀教育長は、上士幌小学校の校長となった平成27年度、「教職員がもつ各団体の見直しと一貫性ある組織設立」「コミュニティ・スクール(CS)設立と地域協働」に着手。目指す子ども像を具現化する「かみしほろ学園構想」の策定に携わった。
参加する教員の固定化や内容の重複が課題となっていた5つの教職員組織を見直し、かみしほろ学園推進本部に一本化。また、こども園から高校までがかかわる町CS委員会を立ち上げるなど、地域総ぐるみで子どもを育む仕組みづくりに取り組んだことを示した。
異動が伴う教職員を「風の人」、地域の歴史文化を支えてきた人を「土の人」と例え、「互いのよさを認め、高め合ってこそ“風土”が築かれる」と述べた。
各ワークショップと講師はつぎのとおり。=敬称略=
▽食べる力を育てる給食時間~家庭とつなげる食育=市栄養教諭部会・佐藤梨紗子、平岡直樹、河村綾子、剱持瑞帆、佐藤理香、畠山みほ
▽本を使ってコミュニケーション==市学校図書館司書・塩野谷愛美、近藤洋子、浜田冴子
▽GIGAスクール~1人1台端末の学習環境で目指すこと=谷口寛人(東小学校教諭)
▽プログラミング教育の今=中元友基(中央小学校教諭)
▽学び続ける教師と子ども~日常授業で子どもが育つ=宮田一央、林駿之介(いずれも白鳥台小学校教諭)
▽地域学習~地域に根ざした総合的な学習の時間=伊藤美由紀(西が丘小学校教諭)、田元千裕(呼人中学校教諭)、谷口武寛(地域住民代表)、河野良幸(地域住民代表)
▽学校力=吉﨑紘一郎(網走小学校教諭)
▽教師も児童もいきいき校内研修=佐藤宏、東正輝、齋藤講宜、高尾真起子(すべて南小学校教諭)
▽働き方改革の取組~五中 推進2年目の報告=中嶋俊雄(第五中学校教頭)
▽Chromebook活用~教科書・鉛筆・Chromebook=渡場陸(東小学校教諭)
(市町村 2021-12-16付)
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