【解説】ケアラー理解と支援人材育成へ(解説 2023-03-03付)
道の実態調査によると、ヤングケアラーの認知度は小学5・6年生が21・1%、中学2年生が9・6%、高校2年生(全日制)が14・2%と十分とは言えない状況にある。学校の教員でヤングケアラーを「知っている(意識して対応している)」と回答した割合は小学校が61・5%、中学校が44・6%、高校(同)が26・8%だった。
ヤングケアラーの背景には家庭の経済状況の変化、共働き世帯の増加、子どもの貧困など様々な要因があり、多くが自分の状況に対する自覚がなく相談経験に乏しい状況に置かれていることから、支援のニーズが表面化しにくい構造となっている。
このため道は本年度から児童生徒のための相談専門窓口「道ヤングケアラー相談サポートセンター」を開設。昨年12月に相談窓口の紹介カードを道内の児童生徒約40万人に配布した。今後は配布の対象範囲、頻度や時期などを検討し効果的な周知を図る。5年度はさらに児童生徒自身がヤングケアラーを正しく理解するための広報資料を作成し学校での活用を図る。
支援の担い手となる人材育成も課題の一つ。道は新年度、市町村におけるケアラーへの相談支援体制の強化に向けた研修を14管内で実施するほか、各地域の特性を知る地域アドバイザーを養成し、ケアラー・サポーターとして認定する制度を創設する。
道内では全道で先駆けてケアラー支援条例を制定して地域の連携体制を構築する栗山町や、子ども・家庭への相談援助や総合調整を行う「子ども家庭総合支援拠点」を設置する函館市などの先行事例がある。
広域な本道の各地域において支援する体制を構築し、悩みや不安の早期把握と個々の状況に応じた支援につながることが期待される。
(解説 2023-03-03付)
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