【解説】病休対応の教員加配創設を(解説 2025-08-18付)
全国都道府県教育長協議会(会長・坂本雅彦東京都教委教育長)と全国都道府県教育委員協議会(会長・秋山千枝子東京都教委委員)は7月下旬、7年度国の施策ならびに予算に関する要望書を文部科学省などの関係省庁や衆議院・参議院の議員に提出した。教員の病気休職者数が過去最多となる中、欠員に対応する新たな加配制度の創設を求めた。
教職員の精神疾患による病気休職者数は増加傾向にあり、5年度の国の調査では病気休職者が7119人、教職員全体に占める割合は0・77%といずれも過去最多を記録。メンタルヘルス対策の充実が喫緊の課題になっている。
要因は「児童生徒に対する指導業務」「職場の対人関係(上司、同僚、部下等)」「校務分掌、調査対応などの事務的業務」が上位を占める。勤務年数は1年未満が2割程度、2年未満が5割弱となっており、人事異動後の比較的短い期間に精神疾患による休職発令が多い現状にある。
このため両協議会は、実効性ある働き方改革の推進、産業医・保健師など産業保健の担当職員配置の人的・財政措置とともに、病休等による欠員を速やかに補充する加配制度の創設を要望。年度当初にあらかじめ補充を目的として配置し、欠員に対して正規教員を柔軟に配置できる仕組みを設けるよう求めた。
産休・育休加配の制度の改善も要望。制度は本年度から導入され、臨時的任用教職員に加え、正規教職員が業務を代替する場合でも国庫負担の対象にしている。これによって、代替教職員の安定的な確保、臨時講師を探す教育委員会・学校現場の負担軽減の成果が見られている。
今後はさらに、小・中学校以外の校種に拡大するとともに、正規教職員以外も対象にするよう制度のさらなる改善を求めた。
(解説 2025-08-18付)
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