道学校保健・安全研究根室大会　「光・暗闇・外遊び」を　日体大　野井教授が提唱

（関係団体 2022-11-24付）

道学校保健安全研究大会根室大会

　【根室発】道教委、日本学校保健会、道学校保健会、根室市教委主催による第６９回道学校保健・安全研究大会根室大会が２０日、道立北方四島交流センターで開催された。日本体育大学体育学部健康学科の野井真吾教授が「コロナ禍における子どもの育ちと学びを考える」と題して講演＝写真＝。外遊びとメラトニンの分泌量の関係性を踏まえ、子どもたちの元気を引き出す「光・暗闇・外遊び」を呼びかけた。

　大会主題は「生涯を通じて、心豊かにたくましく北の大地を生きる子どもの育成を目指して」、副題は「海と大地の豊かさに根ざして生きる“ねむろ”から、未来を切り拓きたくましく生きる子どもの育成を目指して」。

　開会式で道教委の倉本博史教育長は「優れた実践事例を広く発信することは誠に意義深い。示唆に富む実り多いものとなるよう各学校の取組の充実につなげてほしい」と期待した。

　つぎに野井教授が基調講演。子どものメラトニンの分泌量と受光量の相関を示す各種データを示し、外遊びの減少による受光不足やスクリーンタイム（テレビ、スマートフォン、ゲーム等）の増加が睡眠不足など生活リズムの乱れにつながっていると指摘。「早寝・早起き・朝ご飯」に代わる「光・暗闇・外遊び」を提唱し「スクリーンタイムをなくすことはできない以上、“グリーンタイム”というべき外の時間をどう保障するかが大切」と伝えた。

　また、抑制する力を育てるためにも子どもが子どもらしく「わくわく」「どきどき」する体験が重要と強調。友達と関わる機会が失われた長期休業期間の子どもたちの声を取り上げ「成長段階で“動く”“群れる”ことの自粛が要請されるコロナ禍の生活は、大人には想像できないほどの試練」と警鐘を鳴らした。

(関係団体 2022-11-24付)