道研プロジェクト研究成果報告会 探究学習充実など4事業 次年度のフォーラム見据えて( 2024-03-22付)
道研プロジェクト報告会
道立教育研究所は19日、同所を主会場にプロジェクト研究成果報告会をハイブリッドで開催した。道研スタッフが、探究的な学びの充実に向けた授業改善、STEAM教育の推進に向けた研究など4事業の成果と課題を報告。次年度に予定している仮称・教育研究フォーラム開催を見据えて、広く研究成果の普及を図った。
道研は、主な取組の一つに「教育に関する専門的、技術的事項の調査研究」を掲げ、プロジェクト研究に努めている。一方で、研究成果の周知や学校現場における活用、本庁が推進する施策との連携深化などへの懸念が浮上していた。研究のさらなる充実に向けて、シンクタンク機能発揮の一環として6年度末に開催を予定している仮称・教育研究フォーラムの足掛かりにしようと、成果報告会を開催した。
この日は、道研職員をはじめ本庁や各教育局、道教育研究所連盟加盟機関などの職員が参集、オンラインで参加。道教育大学函館校の鈴木淳特任教授、道教委の川端香代子学校教育局長、髙橋宏明学力向上推進課長、相馬利幸高校教育課長、遠藤直俊義務教育課長、松橋朗教職員育成課長が助言者を務めた。
本年度のプロジェクト研究コンセプトは「新しい時代に対応し、北海道らしい教育施策につながる研究の推進」。これに基づいて研究を進めた①問題解決や探究的な学びの充実に向けた授業改善②STEAM教育推進のための理数探究や教科等横断的な探究的な学び③へき地・小規模校における遠隔合同授業の推進④「新たな教師の学びの姿」の実現に向けた教員研修―の4点について、道研職員が発表した。
うち問題解決や探究的な学びの充実に向けた授業改善については、高校における実践成果の収集・普及に関する成果と課題を報告した。
国語、地歴・公民、数学、理科、英語の5教科を対象に、10校の実践を通して「見方・考え方を育成するためには、探究的な学びを積極的に取り入れた授業を日常的に実施することが有効」と強調。その上で、探究的な学びの充実に向けて「社会とのつながりを意識した学び」「教科等横断的な学び」「協働的な学び」「ICTの活用」の四つの要素が重要だとして、研究成果のさらなる還元方法の確立や、探究的な学びの評価方法の研究を推進する必要があると位置付けた。
髙橋課長は講評で「実践と研究の往還の中で、四つの要素が鍵であることを示したのは大きな成果」とたたえた。全国学力・学習状況調査の結果分析に言及し「探究プロセスを意識した生徒ほど、正答率が高いという結果が出ている」と指摘。「成果を広く道内に還元することで、高校における探究活動が充実し、学力向上に資する授業改善が進むことを期待する」と述べた。
( 2024-03-22付)