インフルエンザ流行期入り 感染予防の徹底呼びかけ―道内今季初
( 2016-11-25付)

 全国的にインフルエンザ流行の兆しが見え始める中、道内でインフルエンザ定点医療機関を十三日までの一週間(第四十五週)に受診した平均患者数は一・九二人となり、流行の目安となる一・〇人を超えた。流行期入りは平成二十四年以降最速。道内三十保健所のうち、十五保健所で一・〇人を超え、静内保健所管内では医療機関当たりの平均患者数が十二・三三人と最も多く、同保健所は十六日、道内で今季初のインフルエンザ注意報を発令した。道では、手洗いやうがい、咳エチケットなど感染予防の徹底と、早めの予防接種を呼びかけている。

 国立感染症研究所によると、十三日までの一週間に全国約五千のインフルエンザ定点医療機関を受診した平均患者数は、前週の報告数を〇・二五人上回る〇・八四人となった。患者報告数は、前週の二千九百三人から四千百三十三人に急増した。

 定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの一週間に受診した患者数は推計約五万人となり、年齢別では、五~九歳と二十代がそれぞれ約一万人などとなっている。

 一医療機関当たりの平均患者数を都道府県別にみると、沖縄七・九七人、栃木二・八六人、北海道一・九二人、福井一・九一人、岩手一・五四人、群馬一・三六人、埼玉一・一二人の順となっており、三十九都道府県で前週の報告数より増加がみられたが、七県では減少した。警報レベルを超えている保健所地域はないが、三保健所地域(一道二県)で注意報レベルを超えた。

 道感染症情報センターによると、道内二百二十六の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、十三日までの一週間で四百三十四人にのぼり、一医療機関当たりの平均患者数は、前週の報告数を〇・九五人上回る一・九二人となった。道は流行の目安となる一・〇人を超えたことから、十八日、「流行期に入った」と発表した。道によると、流行期入りは平成二十四年以降最速で、昨年と比べ四十日ほど早いという。

 保健所管内別の平均患者数をみると、静内保健所管内が十二・三三人と最も多く、今後四週間以内に大きな流行が起きるおそれが高いとして、同保健所は十六日、道内で今季初のインフルエンザ注意報を発令した。ほかに、八雲が九・〇人、滝川が五・一四人、千歳が四・一三人、札幌が三・一八人など、道内三十保健所管内のうち、十五保健所管内で一・〇人を超え、流行期に入った。

 厚生労働省によると、十三日までの一週間に道内の保育所・幼稚園・小学校・中学校・高校において、二校で学年閉鎖、七校で学級閉鎖の措置が取られ、新たに二百二十八人の幼児・児童・生徒がインフルエンザを発症した。

 道では、ホームページや各保健所を通じ、手洗いやうがい、咳エチケットなど感染予防を徹底することと、早めに予防接種を受けるよう呼びかけている。

※インフルエンザ注意報・警報の発令基準=一定点医療機関当たりの受診患者数が一週間で十人以上で「注意報」、三十人以上で「警報」を発令。発令は各保健所ごとに行う。警報発令後は一定点医療機関当たりの受診患者数が十人以上の場合に警報を継続する。

( 2016-11-25付)