就活解禁6月正式決定―経団連
( 2015-11-30付)

 二十九年春に卒業予定の大学生の就職活動の日程について、経団連は、企業による面接などの選考解禁時期を現行の八月一日から二ヵ月前倒しし、六月一日とすることを正式に決めた。解禁日程はことし、四月から八月に繰り下げたばかりで二年連続の変更となる。国公私立大学でつくる就職問題懇談会(座長・吉岡知哉立教大総長)は二十日、「最終的に決定するのは企業側」と事実上受け入れる考えを表明した。会社説明会などの広報活動の解禁時期は、大学三年の三月を維持する。経団連は企業側のルールとなる「採用選考に関する指針」を改定し、十二月七日に公表する。

 経団連は今月九日に、選考開始時期を「二ヵ月程度前倒したい」と表明。これに対し、就職問題懇談会は「六月は授業の真っ最中で学生への負担も大きい」などと批判。このため、経団連は大学や文部科学省の理解を得るため調整を続けていた。

 経団連の榊原定征会長は二十日に記者会見を開き、「就職活動の長期化で学業に悪影響を及ぼしていることは明らかで、見過ごすことはできない。大学や政府の関係者からはほぼ理解を得られた」と述べ、解禁を六月一日とすることを表明した。

 厚生労働省と文科省が今月二十日に発表した来春大学卒業予定者の就職内定状況調査では、就職内定率(十月一日時点)が前年同期比一・九ポイント減の六六・五%にとどまった。減少は二十二年以来で、採用面接の解禁が八月に繰り下げられた影響とみられる。内閣府の調査でも、六割の学生が「就職活動が実質的に長期化し、負担が大きくなった」と回答。

 就職問題懇談会では、授業のない休日や平日の夕方に採用面接を行うなどの配慮を求めており、経団連は指針に盛り込む方針だ。

( 2015-11-30付)